女性は「年収の壁」を意識?!男女別の平均年収はいくら?最も多い年収帯も確認
自分の年収が高いのか低いのか気になっていても、他人と年収を比較する機会はあまり多くありません。 ◆【グラフを確認】男女別の平均年収を年齢階級ごとに見る!女性は「年収の壁」も意識?103万や106万など「年収の壁」も一覧表でチェック! 国税庁が9月下旬に公表した最新データ「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者における2023年の平均年収は「460万円」となっています。 ただし、この数値は全世代の男女を含む給与所得者全体の平均であり、ご自身の年収が一般的かどうかを判断する基準としては、あまり適していないかもしれません。 そこで本記事では、実際の調査データをもとに「男女」それぞれの平均年収を紹介していきます。 「年代別」や「年収ごとの割合」なども細かく解説しているので、ご自身の年収が高いのか低いのかを判断する参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
男女別における給与所得者の平均年収は?
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、男性の平均年収は「569万円」、女性の平均年収は「316万円」となっており、男女で平均年収に大きな差が生じています。 また、国税庁の同資料によると、男女・年齢階層別の給与所得者の平均給与は下記のとおりです。 男性の場合、30歳代以降から全体の平均年収を超え、50歳代後半で平均年収がピークとなり「712万円」となります。 一方で女性の場合は、各年代において全体の平均年収に達しておらず、最も高い平均年収は20歳代後半で「353万円」です。 では、男女それぞれで最も多い年収帯はいくらなのでしょうか。 次章では、男女別における、年収帯の割合について見ていきましょう。
【割合を確認】男女それぞれで最も多い年収帯はいくら?
続いて、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」より、男女それぞれの年収割合を確認していきましょう。 ●男性で最も多い年収帯は「400万円台」で17.5% 国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、男性で最も多い年収帯は「400万円台」となりました。 男性の給与所得者における年収区分の一覧表は下記のとおりです。 男性で最も多い年収帯は「400万円超500万円以下」で、割合としては17.5%となっており、突出して多い割合ではありません。 上記から男性の場合、300万円超~700万円以下の割合が10%台となっており、年収の分布に大きな偏りがなく、幅広い年収帯に多くの人が分布していることがうかがえます。 では、女性の場合はどうでしょうか。 ●女性で最も多い年収帯は「100万円台」で20.5% 国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、女性で最も多い年収帯は「100万円台」となりました。 女性の給与所得者における年収区分の一覧表は下記のとおりです。 女性の場合、年収帯「100万円超200万円以下」が占める割合は20.5%であり、約5人に1人が年収100万円台であることがうかがえます。 さらに、全体の平均年収に満たない「年収400万円以下」の割合は72.3%を占めており、男性と比較して年収帯に偏りがあることがわかります。 女性は出産や子育てのタイミングで働き方を変えるケースが男性よりも多いため、収入の上昇が男性よりも少ない傾向にあると考えられます。 また、夫の扶養に入りながら働く場合、税金や社会保険料の負担増に関係のある「年収の壁」を意識して働く主婦が多いことも、男女の年収差に影響しているのでしょう。 実際に「年収の壁」のボーダーラインの多くが「年収100万円超~200万円以下」の範囲内です。 ・年収100万円の壁:住民税が課税される年収目安 ・年収103万円の壁:所得税が課税される年収目安 ・年収106万円の壁:勤務先の要件によって社会保険料の加入義務が発生する年収目安 ・年収130万円の壁:社会保険上の扶養から外れる年収目安 ・年収150万円の壁:配偶者特別控除を満額(38万円)適用できなくなる年収目安 ・年収201万円の壁:配偶者が配偶者特別控除の適用外となる年収目安 上記の結果をふまえ、今後、税金や社会保険料の負担を軽減し、「年収の壁」を意識しなくても働きやすい環境を整えることで、女性の年収向上につながる可能性があるとうかがえます。