エアリンガス、A321XLR初受領 ナッシュビルやインディアナポリスへ25年就航
エアバスは現地時間12月19日、英IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ)傘下のエアリンガス(EIN/EN)へA321XLRを初納入したと発表した。発注済み6機のうち、初号機(登録記号EI-XLR)と2号機(EI-XLT)の2機が、18日にエアバスの最終組立工場がある独ハンブルクから拠点とするアイルランドのダブリンへ向かった。 【写真】エアリンガスが初受領したA321XLR A321XLRは、単通路機では世界最長となる最大11時間飛行でき、ダブリンから米東海岸やカナダなどへ就航できる。IAGは、2019年6月に開かれたパリ航空ショーで、A321XLRを14機確定発注。このうち、8機がイベリア航空(IBE/IB)向け、6機がエアリンガス向けで、イベリア航空は今年10月にA321XLRを世界初受領した。エアリンガスへの納入はこれに続くもので、世界2番目、IAG傘下でも2番目の受領となった。 座席数は2クラス184席で、フルフラットシートを採用したビジネスクラスが16席、エコノミークラスが168席。2025年夏にナッシュビルやインディアナポリスなどへ新規就航を計画している。また、残り4機も2025年に受領する見通しで、ダブリンをハブ空港として欧州-北米間の需要取り込みを狙う。 エアリンガスが運航する機材としては、初めてエアバスの新客室内装「Airspace(エアスペース)」を採用。従来のA321neoよりも40%大型化したオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)や、LED照明、新しい窓の日よけ、抗菌仕様などを採用した。 A321XLRは、単通路機A321neoの航続距離を延長した超長距離型で2019年6月にローンチ。XLR(Xtra Long Range)は「超長距離」を意味し、燃料タンクを増設することで単通路機では世界最長の航続距離4700海里(約8704キロ)を実現し、最大11時間飛行できる。エンジンはCFMインターナショナル製LEAP-1Aを搭載する。 最大離陸重量(MTOW)は101トン。メーカー標準座席数は2クラス180-220席、1クラスの場合は最大244席設定でき、イベリア航空は2クラス182席(ビジネス14席、エコノミー168席)とした。座席当たりの燃費は、旧世代機と比べて30%改善される。
Tadayuki YOSHIKAWA