宮崎市田野町で大根干し始まる たくあんを缶詰に…防災食として人気
テレビ宮崎
日本農業遺産に認定されている宮崎市の田野・清武地域の伝統的な農業。 宮崎県宮崎市田野町では、今週から伝統の大根干しが始まりました。 今年は、この農業が自然災害への備えの原点として注目を集めました。 高さ6メートル、長さ150メートル、世界最大規模の大根やぐら。 今朝、宮崎市田野の野田悦男さんの大根やぐらでは、束ねた細い白首大根を干す作業を行っていました。 (大根生産農家 野田悦男さん) Q 今年の大根は 「少し小ぶりですね」 「時期が遅れたせいで。秋の長雨で作付けが大変遅れまして、苦労しました。」 今年の大根干しは、大根の生育状況にあわせて、去年よりも10日ほど遅らせて始めたそうです。 (大根生産農家 野田悦男さん) 「天気もいいし、いい製品にしあがるよう頑張っていきます。」 大根は、鰐塚山から吹き下ろす乾いた冷たい西風にさらし、約2週間干します。 (道本食品 道本泰久さん) 「こちらの農家さんのように、一生懸命育ててくださった大根を干す作業が、あちこちで始まっています。私たちはその大根を、これからおいしいたくあんにして届ける準備を始めています。」 宮崎市の道本食品です。 (金丸ひろみ リポーター) 「道本食品の直売所です。こちらには、200種類ものたくあんの商品があるんですが、実は、『保存食』として今年、大ブレイクしたたくあんがあるんです。 それが、こちらの商品、缶詰です。このたくあんの缶詰は、海上自衛隊の応急糧食にも採用され、2年前の日本缶詰大賞でグランプリを獲得した商品です。」 (道本食品 道本 泰久専務) 「11月に某番組で紹介されたことをきっかけに、想像以上の問い合わせと注文が入り、売り切れてしまいました。少しずつ再販売ができるようになってきました。先月1か月分の売り上げは、年間の約半分。在庫も全てなくなってしまうほどの大ブレイクでした。」 Q今年、注目された理由は何ですか? 「防災食として注目されました」 「防災食の専門家の方から、 “被災中に食べたくなるのは野菜” なんだというご指摘をいただき、私たちも驚きでした」 干し大根は、日本農業遺産に認定された田野・清武地域の伝統的な農業の象徴。 江戸時代末期に、郷土の偉人・安井息軒が、「自然災害への備え」として「カンショ」を干して保存食として蓄えるように提唱したことが始まりだといわれています。 能登半島をはじめ日向灘でも大きな地震があった今年。 改めて防災食として注目された「干し野菜」。 その代表格「たくあん」は伝統的な農業から生み出されています。 (道本食品 道本 泰久専務) 「今年は特に、夏の暑さや長雨など大変な中、生産者は大根を作ってくださいましたので、おいしいたくあんにして、みなさんにお届けしたいと思います。」 日本人の知恵が詰まった伝統の食文化。 約2週間やぐらにかけて干した大根から作られるたくあんは、新物が、今月末から出荷される予定です。
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