迫る総選挙準備急ぐ 総裁選告示で県選出衆院3氏 「士気高揚の前哨戦」
●小林氏「応援」→田畑氏、石破氏を推薦→橘氏、茂木氏を推薦→上田氏 ●参院3氏出陣式参加せず、山田氏は石破氏推薦 自民党総裁選が告示された12日、富山県選出の衆院議員3氏は別々の陣営の出陣式に出席し、旗幟鮮明にした。総裁選は、直後に想定される衆院解散・総選挙の「士気高揚の前哨戦」(党関係者)との声もあり、厳しい視線が向けられる自民党にとって信頼回復の舞台。3氏は地元に入って、自身が支援する候補者の浸透を図るとともに、迫る「決戦」に向けた準備を急ぐ。 ●「まず自分のこと」田畑氏 「コーバータカ、コーバータカ」。自民党本部で行われた小林鷹之氏の出陣式。田畑裕明衆院議員は小林氏とグータッチを交わした。これまで支持表明しなかった田畑氏だが、この日は、行動を共にする機会の多い福田達夫元総務会長とともに出陣式に出席。小林氏の支援を明言した。 推薦人に名前は連ねず「応援するということ」と述べるにとどめる。政治資金パーティーを巡る問題などで批判を浴びたことを念頭に「まずは自分のことをしっかりやって、信頼回復に努めたい」と語った。 ●「みんな常在戦場」橘氏 石破茂氏の選対に入り、4度目の推薦人になった橘慶一郎衆院議員は出陣式で「最後の戦い」という石破氏の必勝を期した。「これで5回目。総決算ということで結果を出すという気迫がこもったあいさつだった」と受け止めた。 候補者の中でも随一の党員人気を誇る石破氏。選対で橘氏は党員対策を担当し「党員、支援者の皆さんにお願いしていく」とする。総裁選直後に衆院選が行われる可能性もあり「みんなが常在戦場だと思っている。自民党の新しい姿を示したい」と話した。 ●「魅力を伝えたい」上田氏 上田英俊衆院議員は茂木敏充氏の推薦人となった。出陣式では茂木氏とがっちり握手を交わし、壇上でも支援する国会議員と一緒に拳を突き上げた。 陣営は旧茂木派(平成研究会)に所属した議員が中心。上田氏は「閣僚として、国益を背負った政策を実現してきたのが茂木氏。実績に裏打ちされた力強い言葉だった」と語る。選挙中はできるだけ地元での活動に費やす考えで「党員の皆さんに、自分なりのフィルターを通して魅力を伝えたい」と話した。 県関係参院議員3氏は出陣式には参加しなかった。堂故茂参院議員は「支持の表明は控える」と説明。周辺は「茂木氏に投票するのではないか」とみる。野上浩太郎参院議員は「論戦を通して投票先を決めたい」とコメントした。山田俊男参院議員は石破氏の推薦人となった。 ●県連は自主投票 自民党富山県連の宮本光明幹事長は、党総裁選対応について「党員の判断に任せる」と述べ、自主投票になるとした。