アギーレジャパンの“新顔第2弾”は戦力となるか?
10月10日のジャマイカ代表戦(新潟・デンカビッグスワンスタジアム)、同14日のブラジル代表戦(シンガポール)に臨む日本メンバー23人が1日、日本サッカー協会から発表された。ウルグアイ、ベネズエラ両代表と対戦した新生日本代表の初陣で代表キャップが「0」のフィールドプレーヤーを6人招集したハビエル・アギーレ監督は、今回もMF香川真司(ドルトムント)、FWハーフナー・マイク(コルドバ)を復帰させるなど、8人の選手を入れ替えてチーム内の競争意識を煽っている。 例えばDF太田宏介(FC東京)は長く日本代表に不在だった「左利き」の左サイドバックとして、豊富な経験と実績を持つDF長友佑都(インテル)とは異なるプレースタイルを持つ。2010年1月のイエメン代表とのアジアカップ予選に出場しているが、この試合には当時の岡田武史監督が若手主体のチーム編成で臨んでいて、今回が実質的に初めてのA代表となる。 太田は1987年7月23日生まれの27歳。神奈川県の麻布大学附属渕野辺高校の2年次と3年次に全国高校選手権に出場し、卒業後にJ2の横浜FCに加入した。持ち前の縦への突破力と運動量に加えて、3年目の2008年に監督を務めた元日本代表の左サイドバック・都並敏史氏の指導で守備力が向上して急成長を遂げ、2009年に清水エスパルス、2012年には現在のFC東京にそれぞれ完全移籍した。 セットプレーのキッカーを担った昨シーズンは、公式戦において直接FKで5ゴールをマークするなど、左足に宿る正確無比なキックを覚醒させた。昨シーズンの第8節から53試合連続で先発フル出場を継続中と、安定したプレーを続けている。元日本代表MFで、現在は解説者を務める水沼貴史氏は「いつ代表に呼ばれてもおかしくない存在だった」と太田を評価する。 「縦への突破から効き足の左足でそのまま上げる精度の高いクロスを持ち味としている、典型的な左サイドバックと言っていい。左利きの選手を左サイドバックとして起用した場合、ピッチを幅広く使えるというメリットがある。太田は178cm、78kgと体のサイズも小さくはないし、平均点の高いパフォーマンスをコンスタントに続けている。最新の試合を含めてFC東京の試合を何度か視察しているアギーレ監督の目にも、当然留まったのだろう。妥当な選出と言える」。