【GW特集 Netflix独占配信の話題作】全世界に届けCOOL&MOKKORI ジャパニーズカルチャー発のエンタメムービー『シティーハンター』
天気に恵まれた2024年GWいかがお過ごしでしょうか。ご旅行におでかけされる方はちょっとしたすき間時間に映画を、お家でゆっくりお過ごしの方はドラマシリーズを、この機会にNetflixで一気見してみませんか?
映画『シティハンター』がNetflixで全世界配信された。いままで実写化は行われてきたものの、日本制作によるものは、これが初めてとなる。 物語は、原作漫画とアニメの空白の部分を広げたものとなり、リスペクトをもとに、変更したストーリーとなっている。 冴羽獠(鈴木亮平)と槇村秀幸(安藤政信)は、「妹を探してほしい」という謎の美女(片岡萌美)の依頼を請け、夜の新宿の街で有名コスプレイヤーのくるみ(華村あすか)を捜索していた。しかし、捜索中に槇村は突然の事件に巻き込まれ命を落とす。現場に居合わせた妹の槇村香(森田望智)は兄の死の真相を調べてほしいと獠に懇願する。 その頃、新宿では謎の暴力事件が多発し、警視庁の刑事・野上冴子(木村文乃)が手を焼いていた。その事件は槇村の死、彼が追っていた違法薬物・エンジェルダストにつながっていて‥‥。 「シティーハンター」を知る人からすれば、2024年にそのまま描くことの難しさは容易にわかることだろう。依頼のための伝言板、もっこりに代表されるセクハラ描写、突然出てくる香の100tハンマーなどなど、シティーハンターらしさが今の世界で受け入れられるのかという問題がある。 しかしながら本作では、こういった問題をトー横、家出少女、コスプレイベントといった現代にフィットしたキーワードをもとに見事に解決している。これは監督の佐藤祐市、三瓶慶介や押田興将らプロデューサー陣、脚本家の三嶋龍朗、そして主演の鈴木亮平により何日も続いたシナリオ会議の賜物である。 鈴木亮平のシティーハンター愛は相当なもので、先日行ったインタビューにおいては、取材場所には、数々の私物のシティーハンターグッズがテーブルに並んでいた。原作者・北条司のサイン入り原画に、冴羽の愛銃・コルトパイソン357マグナムはもちろん、槇村の愛銃コルトローマンMK-IIIなどなど、取材開始前に圧倒されるほどだった。 シティーハンターらしさといえば、もっこりというおちゃらけとハードボイルドなクール描写という冴羽獠の二面性がある。本編ではアニメ的な表現がある一方でアクションシーンは非常にシリアスだ。 鈴木亮平は、銃の扱い方を徹底的に体に落とし込むため、モデルガンを購入し、撮影で使用している6種の銃すべてをノールックで扱えるよう練習。加えて海外で実銃訓練を受けたほどだ。一部の隙も許さないスイーパー鈴木亮平の腕前をぜひ確認してほしい。 また日本発の原作であるからこそ、アニメ的な要素を大切にしている。ニッキー・ラルソンと訳されたフランス版アニメでは別の主題歌が採用されているが、本作では、おなじみ「Get Wild」が全世界配信のエンディングテーマとして採用されている。しかも、通常Netflixでは、エンディングをスキップできる機能があるが、本作ではそれが無効化されている。つまり「Get Wild」までが本編なのである。 そのほか、冴羽と槇村の事務所名が、声優・神谷明の所属事務所名「冴羽商事」であったり、愛車のミニクーパーのナンバーが「新宿500 お 19-19」であったり、美術・衣装ほかあらゆる面でファンをくすぐる仕掛け、匂わせがふんだんに盛り込まれている。 それでも冴羽獠の衣装が水色ジャケットに赤Tシャツじゃない。そう思った方もいるだろう。 本編の多くは原作漫画に寄せたものを採用されている。しかしながらラストシーンに注目してほしい。獠と香の衣装がおなじみのカラーリングになっているはずだから。 Netflix版「シティーハンター」は獠と香の始まりの物語だ。まだ香はバディではないし、ユニオンテオーペの因縁も生まれたばかり。ジャパニーズカルチャー発のエンタメムービーの誕生を、そして続編を楽しみに願おうではないか。
otocoto編集部