パラスポーツは「できないこと」ではなく「どうやったらできるか」を教えてくれた【車いすラグビー金メダル会見全文】(4)
「できないこと」より「どうやったらできるか」
僕は、スポーツがすべてではないと思っています。ただ、外に出るきっかけであったり、勇気や希望を持てるきっかけを作れたらいいなと思いながら、この競技をしています。 僕は先天性の障害ですが、小学校のときから体育の授業では「できることはやっていこう」と。バスケもやったし、バレーもやりました。体育の授業をみんなと一緒に受けてきました。それは、やはり小学校で出会った先生が、すごく大きかったのかなと思っています。そういった周りの方々の影響って本当に大きくて、だから、「できないこと」よりも「どうやったらできるのか」。僕も、体育の授業では僕専用に特別なルールを作ってもらっていました。そういった形で、「どうやったらできるか」を考えていくことが、今後は重要になっていくと思います。 その上で、スポーツであったり、それ以外の分野であったり、活躍できる分野があればいいと思います。まずは、その人自身が、その行動を楽しめること自体が大切だと思っているので、スポーツに限らず、いろんな分野で輝けるきっかけを作れたらいいな、勇気や希望を与えられたらいいなと思っています。 ──昨日、陸上の鬼谷慶子選手(女子円盤投げ・座位F53)が銀メダルを獲得しました。池さんと同じ高知県の出身で、池さんの言葉を聞いて陸上を始めた選手です。鬼谷選手への思いを聞かせてください。 池:鬼谷さんは常に前に進んでいて、うまくいかない時もあったと思いますが、外に飛び出して自分の得意なことを見つけて、それで世界の中でメダルを獲った素晴らしい選手になったことは、僕も彼女を誇りに思います。 同じ高知県民として、なんだろう……まずは祝福の気持ちが一番大きいんですけど、そういった選手たちで集まりながら「パラリンピックのスポーツってこんなのがあるよ」ということを、普及活動も含めて、みんなに知ってもらえるきっかけ作りをしたいと思っています。メダルを獲った人も、獲ってない人も関係なく、「こんな競技もあるんだよ」ということを広めていける仲間として、これから一緒に進んでいけたら嬉しいなと思います。