パラスポーツは「できないこと」ではなく「どうやったらできるか」を教えてくれた【車いすラグビー金メダル会見全文】(4)
女子選手をもっと増やしたい
倉橋:池さんと似たようなことになるのですが、私自身も健常者の頃は全然、障害のことを知らなかった。障害者になってよかったというわけではないけど、障害者になってから、いろいろな世界が広がって、すごく良かったなと思っています。そのきっかけとしてパラスポーツがありました。パラスポーツに限らず「楽しい」と思えることを見つけられた。それがパラスポーツの一つの魅力かなと思います。 また、車いすラグビーは男女混合なんですけど、日本の場合は女子選手がまだまだ少ないので、これをきっかけに、男女混合で行えるスポーツがあるということを知ってもらいたい。あとは、男女一緒だったら「ハードル高いな」とか思う人もいるかもしれないので、女子だけのチームや女性選手もどんどん増えていったら、よりスポーツを楽しむ人、何かをやってみようと思う人が増えて、みんながパラスポーツや車いすラグビーを楽しめる環境になる。そんな世界になったらいいなと思っています。 橋本:障害者スポーツはクラス分けがあるので、その人自身の障害に合ったスポーツができるという点で、いろいろな場面で活躍できるのかなと思っています。 実際に車いすラグビーも、(同じチームの選手で障害の重い)0.5クラスから(障害の軽い)3.5クラスまでの選手がいます。障害の程度が幅広いですし、それでも、それぞれの選手が輝ける場所がある。それがこの競技の魅力だなと思っています。僕自身、車いすラグビーを通じて、障害者に対する理解、自分自身の障害に対する理解が深まりました。 けれども、スポーツがすべてではないと思っています。 僕自身、車いすラグビーに出会うまでは内気な性格で、家から出ることはあまり多くなかった。自分の障害が恥ずかしいと思っていたなかで、この競技に出会えて、この障害が恥ずかしいわけではなく、これが本当に僕自身の体だからと。池さんが言ったように、誰にでもコンプレックスはありますし、これは僕の個性なんだなと思いながら生きるようになりました。