都立日野台・磯村雄大監督が合同チームに魅せてもらった「諦めない気持ちの大切さ」
8月31日、第103回全国高校サッカー選手権東京予選1次予選が行われ、都立大島海洋国際・小笠原・芦花の3校による合同チームと対戦した都立日野台が7-2で勝利を収め2回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】1回戦3日目試合風景 「いやー難しいですね(笑)できればゼロで行きたかった。立ち上がりすぐ点が取れたので3年生もなるべく出していくという中ではしっかり勝てて終われたから結果的には良かったとは思いますが、2点失点したのは今後の課題かなと思います」と快勝と言えるスコアにも関わらず、都立日野台の磯村雄大監督の口は重かった。 「事前に情報を仕入れたのですが、凄く一生懸命やるチームだと。国分寺、東大和、片倉、東久留米総合とか練習試合やったと聞いていたので…チームを見てもタッパもあったし、気持ちもありましたし、情報通りで油断できないと思ったのですが…」 それでも立ち上がり2分で先制し、その後も効果的に追加点を奪い、試合の主導権を握った都立日野台だったが、前半アディショナルタイムに合同チームのMF2緒環良吹に見事なゴラッソを決められ嫌な形でハーフタイムを迎えた。 「ずっと頑張ってたので、あの右サイドの子が…嫌な選手だなと思ったのですが、常にシュート狙っているというのが…ハーフタイムにも選手たちには言いましたが『彼のように(どんな状況でも)常にシュート狙っているのが大事なんだよ。ああいうのがないと怖くないんだよね。』と話はしました。その1点で崩れてたら絶対都大会はない。『この1点も含めて全員で80分間で勝ち切ろう』と話しました。キャプテン中心にその後もブレることなくやれることをやってくれたと思います」 本来であれば嫌だったであろう相手の追撃弾をリスペクトしつつ、選手たちを鼓舞した。相手の5バックに数的不利の状況だった前半の攻撃に対し「後ろは最少限に人数残して、もう少しハイサイド含めて中で枚数を差し込んで、寄ったところを2対1作って…最後はハマって得点に繋がりました。」後半は戦術に手を加え、勝利をもぎ取った。 しかし、課題も残る。 「後半もメンバーを一気に代えたところで一本の引っ掛けたカウンターからやられたところは課題だと思います。想像以上に相手が良かったなと言うのが印象ですね」。とにかく諦めず最後まで隙を狙ってきた合同チーム。「この後、今週末は文化祭の中での2回戦なので。色んな学校もそうなのでしょうけど…文化祭の準備と選手権のメリハリつけながら頑張りたいと思います」。その言葉には、どんな状況でも最後まで試合を諦めなかった合同チームの戦い方を選手たちに感じ続けて欲しい願いが込められていた。 (文・写真=西山和広)