ロシアの「影の船団」関与、バルト海でまた海底ケーブル損傷…クック諸島船籍のタンカーを捜査
【ロンドン=蒔田一彦】フィンランドの警察当局は26日、同国とエストニアを結ぶバルト海の海底ケーブルが25日に損傷し、関与が疑われるクック諸島船籍のタンカーを捜査していると発表した。欧州連合(EU)は26日の声明で、ロシアが米欧の制裁を回避して石油を密輸するために利用している「影の船団」に属するタンカーだと指摘している。 【写真】北の空を守る慶大卒の女性パイロット、F15戦闘機は「大空が自分のものに」
発表によると、破損したのは送電用のケーブルで、フィンランドの排他的経済水域(EEZ)内で起きた。同国の警察や国境警備隊などは付近を航行していたタンカーを領海内に移動させ、捜査を開始した。フィンランド公共放送YLEによると、当局はタンカーのいかりが損傷の原因とみている。他に通信用のケーブル4本が損傷していたことも判明しており、タンカーの関与を調べる方針だ。
ロシアは「影の船団」と呼ばれる中古タンカーを利用し、米欧などの制裁を回避する形で石油輸出を続けており、問題視されている。
バルト海では、11月に2本の通信ケーブルが断線するなど海底インフラ(社会基盤)の損傷が相次いでいる。エストニアのマルグス・ツァフクナ外相は26日、「偶発的なものとは考えにくい」と語った。