森且行。川口記念準決勝は６着に終わった

　オートレーサーの森且行（５０）＝川口・２５期＝は２５日、埼玉県川口オートレースで開催中のＧ２「川口記念」４日目・第１１レース「準決勝戦」に出走。スタートから強気に攻めに行ったが、無念のフライングを喫してしまい、この時点で優勝戦への道は途絶えてしまった。道中も本来のシャープな足を繰り出せず、勝った佐藤励に大きく離されて６着でゴール線を通過した。 　ロッカーへ戻ってくると、まずは共に戦った７人のレーサーたちにフライングで迷惑を掛けてしまったことを深く謝っていた。「クラッチ板を厚くしたことがフライングの原因だと思います。タイミングはいつもと一緒のつもりで切りましたが、ドンと出ていってしまいました。エンジンもだめでした。いろいろやってみましたが、仕下げてしまいました（仕上げるの反対の意）。全然進んで行かなかったし、参ったよ。直線が進んで行かないんだ。タイヤも良くなかった。評判のいい番号なんだけれど、どうしてかなあ～。しばらくはフライングをできないので、おとなしくしてなければいけないね。じゃあ、もう一度みんなに謝ってきます」 　普段は気さくでフレンドリーな取材姿勢を示してくれる選手であっても、フライングや反則を犯した直後は言葉少なになる選手は多く、取材の声をかけにくい状況になるが、着替え終えてカーテンの奥から出てきた森は、本人から「あ～っ、やっちゃったよ～。クラッチだよ。もっと出て行くようにしたんだけれど…。行き過ぎちゃったね」とコメントを提供してくれた。 　この業界に「森さんは人間としても尊敬できる」と話す選手が多いのは、こういう場面での人当たりの誠実さなのだろう。２６日は大会最終日。第８レース「一般戦」（午後６時１６分発走予定）に出場するが、攻撃の手を緩めるつもりはないようで、「次節はシリンダーでも換えてみようかな」と最後は気丈に笑みを浮かべながら立て直しを宣言していた。