心地よい人間関係を築くために必要な「感じのよい伝え方」
大前提は、“我慢”をやめること
本当は「自分はこうしたい」という思いがあったとしても、「相手に嫌われたくないから、口には出さずに自分が我慢すればいい」というような思いを抱いている方は少なくないかもしれません。 しかしそれでは、フラストレーションがたまっていっても当然。 「嫌われないかな」と考えているということは、会話をしている最中も、「この人は、私のことをどう思っているのかな?」と考えている状態です。 つまり、相手によく思われようと気を遣いすぎて、自分の言いたいことが言えない、ということですね。 それとは逆に、何も考えずに自分の思いをぶつけすぎて、人を傷つけるような発言をしてしまう方もいるかもしれません。 もちろんその人に悪気はなかったとしても、まわりから見れば、「もっとほかに言い方があったよね……」と思ってしまうようなパターンです。(18~19ページより) 前者は「自分がどう思われるかを考えすぎている」、後者は「感情のままにことばを発してしまう」ということなので、まったく別物のように見えるかもしれません。 しかし、その行動の本質を探っていくと見えてくるのは、「相手の気持ちを考えていない」という共通の原因。つまり、上記の3つのポイントのうちの①「人がどう感じるか」を考えることが大切であるわけです。(17ページより)
人にやさしくても、なめられない会話術
「やさしいことばをかけると、人になめられて損をするのではないか」と悩んだり、逆に「私の意見はきっと通らないから、もっと強くいわなければ」と肩に力が入ってしまうこともあるでしょう。 でも、自分自身も話し方も、いまのままで人になめられずにしっかりと意見を通す方法があるのだそうです。 それは、自分の意思を明確に表すこと。 上記3ポイントのうちの②「自分はどうしたいのか」を明確にすることが重要なのです。そうすれば、やさしい口調のままで、相手もこちらのいいたいこと(本当の気持ち)をきちんとわかってくれるようになるはず。 自分の考えを曖昧にして「角が立ちそうだし、どっちでもいいや」と妥協してしまうと、当然ながら相手も「これでいいのかな」と思ってことを進めてしまうもの。だからこそ少しでも「違うな」と思うところがあるのなら、それを伝えるべき。 気持ちを明確にして「意見」に落とし込み、それを相手に対して穏やかにやさしく伝えれば、「相手のいいように使われているのかも…」と悩むことが激減するわけです。(22ページより)