住宅ローン審査で追加書類を依頼されたら審査に落ちるのか?! 銀行員が必要書類とその理由を解説!
住宅ローン審査で必要になる追加書類ベスト5
それでは、住宅ローンの審査の際に、追加で必要となる書類ベスト5を紹介していきます。 なお、必要書類は銀行によって異なるため、上記の書類が最初から基本的な必要書類に含まれている場合もあります。とはいえ、それぞれの書類が審査で必要になる理由は共通しているため、参考になるはずです。 <住宅ローン審査で必要になる追加書類ベスト5> 1. 所得証明書・課税証明書 2. 給与明細 3. 診断書(健康診断結果) 4. 産休・育休の関連資料 5. 返済中の借り入れ明細 以下で、それぞれ解説していきます。 1.所得証明書・課税証明書 住宅ローンをしっかり返済していけるかを判断するカギは、年収です。 仮審査時に自己申告で入力された年収の裏付けを取るため、本審査では「源泉徴収票」と「所得証明書」が必要になります。 ところが、前年の年収の所得証明書は、翌年の5月頃まで発行してもらえません。そのため、ローンの融資実行まで時間がない場合など、あとになってから市区町村役所で入手して、追加の書類として銀行に提出してもらう場合もあります。 2.給与明細 転職をして1年未満など、所得証明や源泉徴収票で前年の収入が確認できない場合には、現在の給与明細の提出が必要になるケースがあり、具体的には、直近3カ月から6カ月程度の給与明細・ボーナス支給明細を提出してもらいます。 銀行では給与明細から平均的な月収を計算し、その12カ月分(ボーナスも含む)を「見込年収」として審査をするのが一般的です。そして、この給与明細は「在籍確認」の資料にもなります。 「在籍確認」とは、自己申告された勤務先に、実際に勤めているのかを確認することです。銀行が勤務先に電話をして確認を取る方法が一般的でしたが、最近は個人情報保護の観点から難しくなりました。そのため、給与明細が在籍確認の資料として用いられるようになっています。 なお、給与明細を必要な時に自分で印刷する会社も増えています。個人が印刷しただけで、会社名などの記入がない場合には、会社に証明印を押してもらうか、銀行所定の「給与支給証明書」などを勤務先に記入・押印してもらう必要があることもあります。 3.診断書(健康診断結果) 住宅ローンは団体信用生命保険に加入するのが原則です。しかし、現在病気で治療中の人や、過去に大きな病気の経験がある人など、場合によっては団体信用生命保険に加入するための追加書類として「診断書」が必要になります。 診断書が必要になる具体的なケースは以下の通りです。 <団体信用生命保険で診断書が必要になるケース> 1. 「告知事項あり」の場合 団体信用生命保険では、本人が自分の健康状態や通院、資料状況、そして過去の病歴などを記入する「告知書」が重要になってきます。 【参考:団体信用生命保険 申込書兼告知書 | 岡崎信用金庫】 過去の病気などが原因となり、加入できない可能性のある状態を「告知事項あり」と呼びます。 この場合には、専用の診断書を渡されて、必要な診察や検査を受けたうえで、団体信用生命保険に加入できるかどうか、「査定」を受ける必要があります。 2. ローン借入金額が一定以上に大きい場合 住宅ローンが5,000万円を超えるなど、借入額が一定の金額より大きい場合、健康状態に不安や問題点がなくとも、事前の査定が必要となり、診断書の作成が求められることもあります。3大疾病保障特約、がん保障特約などを付帯した場合も診断書が必要となることが多いです。 【参考:〔住宅ローン〕 団体信用生命保険の申込みに診断書は必要ですか? | よくあるご質問TOP | NEOBANK 住信SBIネット銀行)】 上記以外にも診断書が必要になるケースがありますので、必ずご自身で確認してください。 4.産休・育休の関連資料 パートナーの収入をプラス要素にする(ペアローンや収入合算など)場合、パートナーが産休や育休などで長期に休職するときや、産休・育休明けで職場復帰した場合などのケースに応じて、確認書類が必要になります。 【参考:(住宅ローン 共通) 産休・育休中ですが、住宅ローンの借り入れは可能ですか? - よくあるご質問|楽天銀行(個人のお客さま向け) 【住宅ローン】最近産休・育休から復帰した場合、追加で必要な書類はありますか。(PayPay銀行)】 これは、産休・育休後に職場復帰が確約されているか、産休明けの制限勤務における収入でも滞納せずに返済できるかなどを、審査で検討するためです。 ただし、銀行は住宅ローンの取り扱いで、妊娠や出産、育児をネガティブにとらえているわけではありません。 そもそも住宅ローンは借金であり、借りた人が滞納せずに返せるかどうかが審査のポイントです。そのため、住宅ローン審査では、産休・育休とお金の関係もしっかりと把握する必要があるのです。 なお、産休や育休は、休職できる期間、休職中の収入、復職後の勤務時間と収入など、企業側もしっかりとした制度設計をしています。したがって、収入が減少する期間や減収額もある程度は予想できるようになっています。 5.返済中の借り入れ明細 追加の書類として、返済中の借り入れ明細(マイカーローン・カードローンなど)が求められることがあります。 これは、仮審査で自己申告された借り入れの内容が、明細と一致しないことがあるからです。 記憶違いや勘違い程度の誤差ならば、それほど問題にはなりません。しかし、借り入れ残高や返済額が事実と大きく異なっていたり、仮審査の自己申告になかった借り入れ明細が出てきたりすると、最悪では審査落ちになってしまう可能性もあります。 ※借り入れ明細 融資の内容が詳しく記載されていて、住宅ローン、マイカーローン、カードローンなどの借り入れをすると、銀行から郵送されてくる書類のこと。返済の予定が記入されているところから「返済計画表」などとも呼ばれる。 借り入れ明細には「当初借入日・最終返済日・当初借入金額・現在残高・毎月の引落額」などの情報が記載されているので、住宅ローン審査では必須の書類となる。 なお、住宅ローン審査には最新の借り入れ明細を提出する。手元にない場合は銀行で再発行が可能。ただし、再発行には1週間程度を要する。また、再発行に手数料が必要な金融機関もある。 【参考:返済予定表の見本 | イオン銀行】