ウクライナ国民が思う「停戦しても意味がない」 現地在住の編集者が「その理由」に言及
ウクライナの国営通信社ウクルインフォルム通信の編集者・平野高志氏が2月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。現地・ウクライナの現状について語った。 【写真】ミサイルによる爆風が襲った瞬間を振り返るキーウの女性。顔にはいくつもの傷が残っていた。
ウクライナ首相、欧米の支援遅れを懸念
来日したウクライナのシュミハリ首相は2月20日、東京都内で記者会見し、欧米の支援停滞に強い危機感を示した。その上で、ロシアがウクライナへの侵略を進めれば「より多くの紛争や戦争が世界で起きる」と警告した。
ロシアがクリミア占領作戦を始めてから10年が経過
飯田)ロシアによるウクライナ侵略から間もなく2年となり、日本メディアでは特集記事なども組まれています。平野さんは、ご自身のX(旧Twitter)で「10年」という単語を使っていらっしゃいますが、どんな意味があるのでしょうか? 平野)2014年2月20日にロシアがクリミア占領作戦を始めたのが、いまのロシア・ウクライナ戦争の発端だと思います。そこから数えると、ちょうど昨日(2月20日)で10年になったという意味です。 飯田)2月20日という日付は、ウクライナのなかで重く受け止められているのでしょうか? 平野)そうですね。これがそもそもの侵略の始まりで、現在の侵略は「全面侵略が始まって2年」と計算されています。
勝つために戦うという希望を抱いて生きている
飯田)10年の長きに渡って対峙し続けているわけですが、国内の状況はいかがでしょうか? 平野)ご存知の通り、アメリカなどからの支援が滞っていることで、非常に重々しい空気が流れています。もちろん人々は疲れていますし、他方で侵略される側なので、簡単に「疲れたらやめる」というわけにもいきません。ロシアは疲れたら撤退すればいいだけですが、ウクライナは疲れたからと言って諦めてしまったら、ブチャのように占領による地獄が待っています。停戦してもロシアに再度侵略される可能性がありますし、戦い続けても当然、地獄です。どれを選択しても苦渋の決断になるというジレンマのなかで毎日生きています。いまは「何とか勝ちたいから、戦わないといけない」という希望を抱いて生きているのだと思います。 飯田)2月に入ってザルジニー総司令官が解任されるなど、いろいろなことが起きていますが、影響は出ていますか? 平野)アメリカの支援が止まっていること、人気のザルジニー氏が解任されたこと、まだまだ簡単には戦争が終わりそうにないことなどが重なって、重々しい空気になっていると思います。