【徹底解説】新『スーパーマン』特報で提示された謎 登場キャラクター&監督の発言まとめ
ジェームズ・ガン監督はスーパーマンをどう描くのか
ガン監督は、特報公開に合わせてアメリカ本国で行われたQ&Aセッションにて、次のように発言している。「冒頭で、スーパーマンはボロボロになっています。それは私たちの国です」「私は、スーパーマンを彼の原点に忠実に、完璧な良き人として描きたいと思いました」「これは親切さについての映画、善であることについての映画です」 しかし、この言葉をそのまま素直に受け取っていいのだろうか。なにしろ監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったマーベル映画に初参加するに際して、その題材にわざわざ知名度の低いマイナーなチームを選んだ監督だ。DC映画に初参加した作品も、ヴィラン大集合の『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』だった。
そんなガン監督が、2022年に、DC映画を仕切り直しする新たなスタジオ「DCスタジオ」の共同会長兼CEOに就任。彼が放つ、新生DC映画の第1弾が『スーパーマン』なのだ。これまではみ出し者たちを描いてきたガン監督が、DCを代表するこの正統派ヒーローをどう描くのか。そして、彼が率いる今後のDC映画はどうなるのか。その意味でも大きな注目を集めるのが本作なのだ。
特報冒頭、無敵なはずのスーパーマンが空から墜落し、血を流して小さな愛犬に助けを求める。彼を非難する群衆の中の一人に、石を投げつけられる。こうした光景は、これまでのスーパーマンのイメージとは違う、新たなスーパーマン像を予感させるものだ。
今回の映画化のコンセプトは、特報に使われている音楽にも象徴されているのかもしれない。音楽はリチャード・ドナー監督、クリストファー・リーヴ主演の『スーパーマン』(1978)シリーズのテーマ曲を、エレキギターの独奏にアレンジしたもの。この音楽のように、ドナー監督版が描いた人間の善の象徴としてのスーパーマンを、時代背景を現代に変え、ガン監督ならではの視点で描き直すのが、今回の『スーパーマン』なのだろうか。ガン監督が描く“善”についての物語とは、どんなものなのか。特報の後に続くであろう、予告編第1弾、第2弾の内容が今から気になる。
映画『スーパーマン』は2025年夏全国公開