ガザ復興、イスラエルの封鎖下なら「350年」…戦闘前の水準に回復する期間を国連貿易開発会議が推計
【エルサレム=田尾茂樹】国連貿易開発会議(UNCTAD)は21日、パレスチナ自治区ガザの域内総生産が、イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘前の水準まで回復するには、イスラエルの封鎖下で350年かかる可能性があるとの報告書を公表した。
停戦後の経済成長率をガザ封鎖下の2007~22年の平均値(年0・4%)と仮定し、推計年数を算出した。ガザで今後軍事作戦が行われず、人やモノの移動の自由が実現して年10%の成長率を達成した場合でも、22年の水準に回復するのは2050年になるという。
世界銀行によると、ガザのインフラ被害額は1月末現在で推計185億ドル(約2兆8000億円)に上る。UNCTADは報告書で「(イスラエルとパレスチナが共存する)『2国家解決』と国際社会の多大な支援が復興に欠かせない」と指摘した。