性的暴行事件でジャンポケ斉藤さん書類送検、「さん」「メンバー」「氏」…報道各社で呼び方にバラつきの理由
●「山口メンバー」書類送検の際も読売新聞は「山口容疑者」と報じた
主要メディアの多くは「メンバー」の呼び方を使った。確認した限りで、容疑者と報じたのは、フジテレビと読売新聞だった。 「メンバー」といえば、2018年にアイドルグループ「TOKIO」の山口達也さんが、強制わいせつ容疑で書類送検された事件で、「山口メンバー」と報じられた。 この際にも、朝日・毎日は「メンバー」、読売が「容疑者」と報じた。今回の斉藤さんの報道と同様だ。なお、山口さんの事件では、書類送検の時点で示談が成立していたという。 芸能人の書類送検に関しては、「メンバー」以外にも、微妙な呼び方が使われたことがあった。 たとえば、島田紳助さん(2011年に芸能界引退)が2004年、所属事務所の女性に怪我を負わせ、書類送検(略式起訴、罰金30万円)されたときに、テレビ朝日は「島田紳助司会者」とした。また、朝毎読はいずれも「容疑者」呼び。共同通信の加盟社は「島田タレント」という表現を使っていた。
●元一般紙の社会部記者「逮捕されてない人の書類送検は、各社の判断が分かれやすい」
なお、警視庁は今回の斉藤さんの書類送検を「報道発表していない」と弁護士ドットコムニュースの取材に回答した。通常、逮捕などでメディアに報道発表する際のペーパーでは「被疑者」とされるという。 元一般紙の社会部記者は「書類送検された人の呼称をどうするかはケースバイケース」と説明する。 ある報道機関のガイドラインでは、今回の斉藤さんのように書類送検のニュースで実名を報じる場合は肩書きをつけて書くのが原則となっていて、犯行内容や被害者の数など事件が悪質であれば「容疑者」の呼称にすることもあるという。 また、警察は一般的に書類送検の事件を発表していない。報道機関が日々ニュースとして報じる事件の多くは警察が被疑者を逮捕して発表したものであり、逮捕を伝える記事は基本的に「容疑者」呼称になっている。 一方で、逮捕されていない人が書類送検された場合、最初にニュースになるタイミングが書類送検の時になることに加えて、逮捕の場合よりも書類送検ではその後不起訴となることも多いため、呼称をどうするかの判断が社ごとに異なりやすいともいえるという。