「年金生活者支援給付金」を受給中ですが、パートで「月5万円」ほど稼ぎたいです。収入が増えると打ち切りになってしまいますか? あまり高額でなければ問題ないでしょうか?
年金生活者支援給付金とは、年金収入などが少ない人のための公的な給付金です。消費税の増税分を財源として、2019年10月から始まりました。本記事では、年金生活者支援給付金の受給要件や金額、パート収入がある場合などについて解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金は、年金収入とその他の所得が一定額以下の人に、生活支援のために支給されるものです。原則として2ヶ月に一度、年金と同じ口座に2ヶ月分が振り込まれます。 年金生活者支援給付金には、老齢・障害・遺族の3種類がありますが、本記事では老齢年金生活者支援給付金について説明します。 ■年金生活者支援給付金を受け取れる人は? 老齢年金生活者支援給付金(以下「年金生活者支援給付金」と表記します)を受給できるのは、次の全てに当てはまる人です。 ・65歳以上で、老齢基礎年金の受給者 ・同一世帯の全員が市町村民税非課税 ・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下 なお、年金等収入とその他の所得との合計が77万8900円を超え、87万8900円以下の場合は、年金生活者支援給付金ではなく「補足的老齢年金生活者支援給付金」が受け取れます。 ■年金生活者支援給付金はいくら? 年金生活者支援給付金の額は、次のように計算します。 年金生活者支援給付金=1+2 1 5310円 × 保険料納付済期間/480月 2 1万1333円×保険料免除期間/480月 例として、保険料納付済期間が468月、保険料免除期間が0月の人について、計算してみましょう。 5310円×468月÷480月=5177円 5310円×0月÷480月=0円 5177円+0円=5177円 この人の場合、2024年度の年金生活者支援給付金の額は月額5177円になります。 ■補足的年金生活者支援給付金はいくら? 前年の公的年金等収入とその他の所得の合計が77万8900円を超える場合でも、87万8900円以下であれば「補足的年金生活者支援給付金」が受け取れます。 補足的年金生活者支援給付金の額は、次のように計算します。 5310円×保険料納付済期間 /480月×調整支給率 調整支給率=(87万8900円-前年の公的年金等収入とその他の所得の合計)/10万円 仮に、保険料納付済期間を470月、前年の公的年金等収入とその他の所得の合計額を「80万円」として計算してみます。 調整支給率=(87万8900円-80万円)/10万円=0.789 補足的年金生活者支援給付金=5310円×470月/480月×0.789=4102 上のケースでは、補足的年金生活者支援給付金は、月額4102円になります。