『ガールズ&パンツァー』をモチーフにしたワンオフ戦車が大洗の街に並んだ!!『大洗春まつり 海楽フェスタ2024』を賑わせた「日照戦車」とは!?
履帯を駆動させ自走が可能な完成度の高いレプリカ戦車・ルノーFT-17
3号突撃砲G型の展示場所から歩行者天国を北東に進むと、次に見えてきたのがBC自由学園仕様のFT-17だ。世界に先駆けて回転砲塔を備えた近代的戦車として第一次世界大戦期に誕生した同車は、全長5.0m×全幅1.74m×全高2.14mと戦車の中では小さく、軽戦車に分類されている。 今回展示された日照戦車のFT-17は、そんな実車と同じサイズで忠実に再現している。その完成度は非常に高く、パッと見には本物にしか見えないほどだ。 この戦車の凄いところは、先ほど見たIII号突撃砲G型とは異なり、履帯が稼働して動くところにある。話を聞くと、履帯1枚1枚をプレス加工で製作し、車体後部の機動輪で駆動させるという。サスペンションは自動車用やバイク用のコイル式スプリングやリーフスプリングを流用しており、その構造は本物に近いという。 エンジンはヤンマー製の900ccのものが搭載されているとのことで、おそらくはトラクター用かコンバイン用のものを使用しているのだろう。 実車のルノー製4.5L直4ガソリンエンジンに比べれば排気量はずっと小さいが、車重は1tほどと実車の1/6以下と軽く、イベント展示のために動かす分には過不足がないそうだ。
菱形戦車の特徴をよく捉えているMk.IV戦車
商店街をそのまま歩くと月極駐車場の一角にサメさんチーム仕様のMk.IV戦車が見えて来た。世界初の戦車となったMk.Iの改良型として誕生したMk.IVには、オチキス製23口径6ポンド(57mm)砲を2門搭載した雄型と、ルイス製7.7mm機関銃を3丁搭載した雌型が存在するが、劇中に登場するのは前者の方で、日照戦車もこちらを再現していた。 スケールは3/4ほどと実車に比べてやや小さいが、製作に当たってはイギリスのボービントン博物館で実車を取材し、設計図を入手して製作したとのことで、形状は菱形戦車の特徴をよく捉えており、ディティールもかなりリアルに作られている。 内部にはIII号突撃砲G型と同じく軽トラが入っており、車体に隠された車輪で走行が可能とのことだ。移動のため左右の主砲は取り外しができ、消火器を利用した空砲を放つこともでき、2019年の大洗町『八朔祭り』では山車として参加し、空砲を放っては来場者を歓声と拍手を浴びていた。
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