「女性にも責められる点が…」バラバラ殺人死体遺棄事件で被告側が驚きの主張 検察は懲役18年求刑 静岡
交際相手の頭をハンマーで殴るなどして殺害した上、遺体を切断して遺棄した罪に問われている男の裁判員裁判で、検察側は懲役18年とするよう求めた。一方、弁護側は「女性にも責められる点がある」と、遺族感情を踏みにじるような主張を展開する事態となっている。 交際相手殺害で検察側が懲役18年求刑 弁護側は「女性にも責められる点がある」と減刑主張
常軌を逸した犯行の数々
殺人・死体損壊・死体遺棄の罪で起訴されているのは沼津市真砂町に住む無職の男(32)で、2023年2月、静岡市内の人通りのない山道に駐車した車内で、当時交際していた女性の頭などを鉄製のハンマーで複数回殴った上、首を充電ケーブルで絞めて殺害し、さらに遺体を切断したほか、ゴミ袋に入れて自宅のコンテナボックスや車内に遺棄した罪に問われている。 検察によれば、被害女性の頭や顔には17カ所もの腫れやアザがあり、頭蓋骨は折れた状態、顔からは皮下出血も確認された。頭を殴られたことに伴う外傷性くも膜下出血は重篤で、受傷後、早ければ5時間程度、遅くとも12時間後には死亡していたと考えられるそうだ。 このため、検察は、鉄製ハンマーは硬く、一定の重さがあることから十分な殺傷能力があり、右手が疲れた後もハンマーを左手に持ち替えて攻撃を続け、一方的に20回以上も殴打を繰り返すなどした点について「極めて危険かつ執拗な行為」と指摘。 加えて、被害女性が大量に出血し、重傷を負っていたにも関わらず、舌骨が折れるほどの強さで首を絞めたことは「死に至る危険な行為を一度ならず、二度も行っており残忍。殺人の行為態様は執拗・危険・残忍で悪質」と重ねて非難し、バラバラにした遺体をゴミ袋に分けて入れ、臭いを消すために猫砂を入れた行為は「遺体をまさにゴミのように扱い、尊厳を踏みにじった」と断罪した。
男には妻子…不倫関係の末に
これまでに、被害女性はいわゆるシングルマザーだった一方、男には妻子がいて不倫関係だったことがわかっている。 検察側の説明では、被害女性は男との交際関係が始まった当初から、不倫関係にあることは「嫌だ」と明確にしていたため、男は「妻とは離婚する」と発言していた。 ところが、男が実際に離婚することはなく、妻に被害女性との不倫が複数回バレても、なお関係を継続。 このように男が曖昧な態度だったため、被害女性は男に対して交際の解消を求め、その際、金銭の支払いを求めていたという。また、2人の関係を男の家族や会社に対して“公表する”旨のメッセージを送っていたそうだ。 これに対し、男は実際には現金を用意していないにも関わらず、被害女性に対して「現金やプレゼントを渡す」「行きたいところがある」と嘘をつき、信じさせるためなのか銀行の封筒と札束の合成写真まで送信。そして、被害女性を呼び出すことに成功すると犯行に及んだ。