【陸上】「父は…純粋に喜んでくれた」フランスにルーツ“慶應ボーイ”の秀才ハードラー豊田兼 パリ五輪で「大学陸上の集大成を」
陸上・400mハードルのパリ五輪代表・豊田兼選手が12日、オンラインでの取材に応じ、五輪へ向けた意気込みを語りました。 日本選手権の前日会見に登壇した豊田兼選手 都内屈指の進学校、桐朋高校出身で、現在は慶応義塾大学の4年生。身長195センチと体格に恵まれ、その長い手足を生かした伸びのある走りが持ち味です。 6月末の日本選手権は、前半から積極的に飛ばし、“攻める”レースで、日本歴代3位となる47秒99をマーク。日本選手3人目の47秒台ハードラーとなりました。 五輪代表権を勝ち取った日本選手権のレースについて、「(五輪で)決勝を目指していく上では、日本選手権決勝の舞台で前半からスピードを出すレース、海外の選手に食らいつくためにはそういうレースをしないといけないと思うので。そういったレースをしたことで、47秒台が出せたのかなと思っています」と振り返りました。 日本記録まではあと、0.1秒。 「9、10台目あたりは距離感がわからず詰まってしまい、10台目も少し(ハードルに)ぶつけました。そこを刻めれば0.1秒は縮められた」と分析しながらも、「0.1秒まで差し迫っているとは言えど、まだ自分の中では近くないというか、あまり簡単に達成できる目標だとは捉えていない。まずは自分のレースの中での課題をクリアしていく中で、必然と達成されていくものなのかなと認識しています」と冷静に語りました。 オリンピックはずっと目標としてきた舞台。 「最高目標としては、自分は決勝の舞台に進出するというのを置いています。進出するとなったらおそらく47秒99のタイムを更新しないといけないので、PB(自己ベスト)というのも同時にかな」と見据えます。「大学陸上の集大成をその場で発揮したい。ある意味また、その大会がターニングポイントになる」と語りました。 五輪が開催されるフランスは、父の母国。「自分のルーツのあるフランスの舞台で開かれる五輪に出場するというのを、日々目標にしていたので、達成することができてうれしいです。父は…そうですね、純粋に喜んでくれましたし、応援するような言葉を投げかけてくれました」と笑顔を見せました。