【日本S】三浦ベイスターズ〝最後のピース〟 山本祐大はどんな場面で起用されるのか?
遅れてきた三浦ベイの正捕手は日本一を決める最後のピースになれるのか。王手をかけて2日に臨む本拠地・横浜スタジアムでの日本シリーズ第6戦。三浦大輔監督(50)が山本祐大捕手(26)をどんな場面で使うかが注目される。 山本は今季、攻守に急成長を見せ、戸柱や伊藤らライバルを押しのけて正捕手に定着。一時打率を3割台に乗せる打棒でチームをけん引してきた。しかしながら9月15日の広島戦(マツダ)で死球を受け、右手首尺骨を骨折。1か月半のリハビリを経て第3戦前日(28日)の練習から合流した。 フリー打撃、スローイング練習と軽快な動きを見せ、臨戦態勢が整っていることをアピール。 「試合に出る(だけ)で終わらないように、試合に勝てる状況で出ることがまず大事。出られるのがゴールじゃない。そういった中で使っていただけることがあれば、全力頑張りたいと思う」 そう前のめりに語った山本はリハビリ中、尺骨骨折から復帰した選手の前例をネットで検索。レッドソックス・吉田正尚外野手(31)がオリックス時代に1か月で戦列に戻ったケースを知り「じゃあ自分も行けるって希望になった」という。 ただし「骨が完全にくっついたのか」と突っ込まれると「あんまり言うと何か物議を醸すので言いたくない」と明言せず。山本を第3戦までベンチから外し、第4戦でやっとベンチに入れた三浦監督も「相当無理はしている」と本人のコメントとは裏腹に、まだ万全には程遠い状態にあることを示唆していた。 だが第6戦は第1戦(26日・横浜スタジアム)でベイ打線を4安打無失点に抑えたソフトバンク・有原航平投手(32)が同シリーズ2度目の先発マウンドに上がる。ここで逆王手をかけられたらシリーズの流れが一気に傾きかねない。だからこそ三浦監督がレギュラーシーズンで打率2割9分1厘、打点37をマークした山本を勝負どころで使う可能性は十分ある。 ちなみに選手にある程度、無理をさせる場合、指揮官は直接こんなふうに言い聞かせるそうだ。 「俺も我慢してるんだ。おまえも我慢してくれ」 番長の〝魂の言葉〟はハマの扇の要の心を突き動かし、躍動させることができるか。大いに注目される。
赤坂英一