機体&星型エンジンを組み立てて塗装【達人のプラモ術<ブリストル・ブルドックMkⅡ>】
■エンジンの組み立てと塗装
さて本機の特徴といえば、シリンダーがむき出しの「ブリストルジュピターV2F単列9気筒空冷星型エンジン」です。キットはシリンダーが別パーツ化されるなど、細部までよく再現されています。カウリングがないこともあってエンジンは目立つので丁重に塗装して仕上げたい部分です。 塗装は博物館に現存している機体を参考にしています。9個あるシリンダーは小さいながらも空冷フィンがちゃんとモールドされているので、黒塗装の後、シルバーのドライブラシでパーツのディテールを強調しました。 インストでは胴体と上翼を組み上げた後、エンジンを組むように指定がされていますが、主翼を組んでしまうと破損のリスクがあるので、上翼より先にエンジンを組んだ方が良いでしょう。 このシリンダー機首にエンジン本体を組み込んだ後、差し込むように取り付けよと指示されているのですが、エンジン側のピンが太く、そのままだと上手く収まりません。2mmのピンバイスでシリンダーの穴を削っておくと取り付けが格段に楽になります。
■脚の取り付け
インストの工程では脚も上翼を取り付けた後の工作となっていますが、作例は、張り線の際の機体の固定を考慮して、エンジンと同じく先に組んでいます。ただしタイヤは、まだ取り付けません。
■張り線の実践はどうした!?
前回「第3回は機体塗装と張り線の実践を解説します」といっておきながら、今回機体塗装に思いのほか時間を取られ…。言い訳ではないですが、ここのところの高湿度で銀塗装が思うようにできず、時間切れになってしまい、今回は塗装の解説のみとなってしまいました、いや申し訳ない限りです(深く反省)。 ※湿度が高いと、エアブラシを使ったラッカー系塗料はカブる(塗装したての塗膜表面が曇り、つやがなくなる現象。原因は塗装した塗膜から溶剤が揮発する際に気化熱で塗装表面の空気が冷やされ、結露した水分が塗料表層に混ざるため)ことがあるんですよ。特に光沢塗装では塗装面が台無しになってしまいますので、この時期の模型の塗装では湿度に要注意です(水性塗料は問題ありません)。 次回第4回は、いや今度こそ複葉機のキモでもある張り線、0.2mmのピアノ線を使ってのはめ込み張り線を解説します。いやピアノ線をカットする専用ニッパーも新調したんですよ! というわけで、改めて乞うご期待!
<製作・写真・文/長谷川迷人>