「小池百合子が“刑事事件の犯人”として知事室で執務する可能性」「蓮舫が当選しても無効なる恐れ」…日本の政治の「劣化」を象徴する都知事選の「パラレルワールド」
「パラレルワールド」のような都知事選
東京都知事選が6月20日、告示された。現職の小池百合子都知事に前参院議員の蓮舫氏、元航空自衛隊幕僚長の田母神俊雄氏、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏らが対抗する構図だ。日本の政治は、異様な「パラレルワールド」の世界に陥ってしまったのだろうか。 【画像】トランプ前大統領の娘の水着姿がヤバすぎる…! 今回の都知事選は国政選挙並みの関心を集めている。永田町は、と言えば、政治資金問題に明け暮れ、岸田文雄政権の支持率は下落したままだ。都知事選に新たな政治の「突破口」を期待したいところだが、候補者の顔ぶれを見る限り、そんな願いは叶いそうもない。 まず、小池氏はなんといっても、学歴詐称問題が燻り続けている。小池氏の元側近で、都民ファーストの会の事務総長を務めた弁護士、小島敏夫氏は6月18日、小池氏を公職選挙法違反(虚偽事項公表罪)の容疑で東京地検に告発した。 当初は、今回の選挙公報に「カイロ大学卒業」と記載されるかどうかが注目されたが、これまで小池氏がそうした経歴を否定してこなかったために、「有権者に誤った判断を与える」として、立候補の届け出を待たずに告発に踏み切った、という。 これで、小池氏は本当にカイロ大学を卒業していたのかどうか、司法の場で争われることになる可能性が強くなった。仮に、知事に再選された後、法廷で「卒業していなかった」「虚偽事項を公表していた」と認定されれば、「刑事事件の犯人が知事室で執務する」という前代未聞の事態になる。
2重国籍問題に公職選挙法違反
小池氏は同日、公約発表の記者会見をオンラインで開いた。肝心の記者との質疑応答は、わずか15分。5人の記者の質問に答えただけだった。あとは、第1子以降の保育料無償化や返済不要の大学奨学金、海外留学制度の創設などバラマキ政策を並べて、作り笑顔を振りまいた。 一方、対抗馬の本命とみられる立憲民主党の蓮舫氏も、2重国籍問題がぶり返している。蓮舫氏は2017年7月、戸籍謄本の一部を開示し、16年9月に台湾籍を離脱し、同10月に日本国籍を選択したことを公表した。30年以上も国籍法に違反し、台湾と日本の2重国籍だった。 今回の都知事選では、6月2日に東京・有楽町で開いた街頭演説で、立憲民主党の枝野幸男前代表が「みなさんの力で知事に当選させていただきたい」などと語った発言が公職選挙法の事前運動に当たるのではないか、と指摘されている。蓮舫氏自身も「都知事選に挑戦する。支援をよろしくお願いする」などと語っていた。 これは、どう見ても公職選挙法に違反する事前運動ではないか。 弁護士の北村晴男氏は、自身のYouTube番組で「完全な違反だ」と断言している。もし、そうだとすれば、蓮舫氏は当選しても、無効となるし、公民権が停止され、しばらくは国会議員に復帰する道も閉ざされてしまう。 一方、公約では「明治神宮外苑の再開発を見直す」と明言した。小池氏の介入で、豊洲への移転が大幅に遅れた築地市場の悪夢が繰り返されないか、と心配になる。 それだけではない。 衆院東京15区補選で前代未聞の選挙妨害を繰り返して逮捕された政治団体の代表は、獄中から立候補した。逮捕されても、有罪が確定しなければ、公民権資格は停止されない。寄付と引き換えに、選挙のポスター掲示板を自由に使わせる政党も登場した。