伊東純也と中村敬斗のピンポイントクロスはフランスでも指折りレベル 前半戦のベストプレーは?
リーグ・アン前半戦総括「日本人選手4人」の現状伊東純也&中村敬斗(スタッド・ランス) 【図】伊東純也と中村敬斗が所属するスタッド・ランスのフォーメーション 今シーズンからルカ・エルスネル監督が指揮を執るスタッド・ランスにおいて、絶対に欠くことのできない戦力となっているのが、日本代表の伊東純也と中村敬斗のふたりだ。 チームは15節を終えた時点で10位に位置するが、シーズン序盤は6戦無敗の快進撃を見せるなど好調をキープ。そのなかで伊東と中村は、基本布陣の4-3-3または4-2-3-1の両翼を担い、攻撃の中心として躍進の原動力となっていた。 果たして、シーズン前半戦の活躍ぶりはいかなるものだったのか。あらためて、ふたりがこれまで残した爪痕を辿ってみる。 まず、加入3年目の伊東は過去2シーズン同様、新監督の下でも不動の右ウイングとしてプレー。日本代表のワールドカップアジア最終予選を戦いながら、ここまでのリーグ戦すべての試合でスタメン出場を続け、出場時間はGKイェヴァン・ディウフに次ぐ1316分を記録する。 しかも、前線の選手にもかかわらず、途中交代した試合は6試合のみで、9試合がフル出場。このスタッツだけを見ても、いかに伊東がチームに不可欠な存在かがよくわかる。 そのなかで、伊東は3ゴール3アシストをマークしている。ゴール数についてはすでに昨シーズンと同じ数字となっており、残り試合数を考えると、加入初年度に記録した6ゴールを上回るペース。同じくアシストも、昨シーズンの7を超える可能性は高いと見ていい。 伊東のスタッツで特に目を引くのが、チーム内におけるキーパス(ゴールにならなかったシュートにつながるラストパス)の割合が33.9%を記録していることだろう(第13節終了時点)。ちなみにこの割合は、ヨーロッパ5大リーグの選手のなかでトップを誇る。逆に言えば、現在のスタッド・ランスの攻撃は、伊東に大きく依存していることを意味する。 実際、伊東がこれだけのスタッツを残せる背景には理由がある。 ビルドアップからボールを保持して攻撃することをベースとするエルスネル監督のサッカーのなかで、基本的に伊東は右サイドの大外レーンを担当。カウンター時には自慢のスピードを生かして一気にドリブル突破で打開し、敵陣でボールを保持する時は、自らが起点となってコンビネーションプレーからチャンスメイクする。