嘱託警察犬の競技会、新部門「爆発物捜索」ほえずに指導士に知らせ…「いつでも現場に即応できそう」
熊本県警の要請で行方不明者の捜索や容疑者の追跡に当たる嘱託警察犬の競技会が16日、同県菊陽町の県運転免許センターで行われ、指導士5人と警察犬10頭が参加し、日頃の訓練の成果を競った。会場内で爆発物を捜して知らせる新設の「爆発物捜索」など3部門で、民間施設「人吉警察犬訓練所」が育てたシェパード3匹がそれぞれ優勝した。 【動画】警察犬の訓練3年ぶりに再開、九州豪雨で被災の施設…熊本県相良村「人吉警察犬訓練所」
嘱託警察犬の訓練の練度向上や指導士の意欲維持のため毎年開催。3部門は爆発物捜索のほか、容疑者の逃走経路を追う「足跡追及」と不明者を捜索する「捜索救助」。
爆発物捜索では、爆発物を想定し、黒色火薬のにおいがついた布をエリア内から見つけ出した。振動で爆発する恐れがあるため、ほえずに指導士に知らせた。足跡追及では、容疑者役の県警職員が落としたゴム片を捜し、捜索救助では、茂みの中に隠れた不明者役を捜索した。
人吉警察犬訓練所長の開田宏さん(61)は「高齢化が進み、行方不明者の捜索の増加が予想される。犬だけではなく、指導士の育成にも取り組んでいきたい」と語った。
表彰式で月田邦相鑑識課長は「においを追う捜査は人間では難しい。今後もお力添えいただきたい」とあいさつした。県警鑑識課で警察犬係を務める井野満宏巡査長は「どの犬も日頃の訓練の成果が出ていて、いつでも現場に即応できそうだった」と振り返った。同課によると、今年度の嘱託警察犬は18頭で、指導士は7人。行方不明者の捜索で出動することが多いという。