【DeNA】ストーブリーグも攻めの姿勢 〝超巨大補強〟の背景に「ハイパー黒字化経営」と「今永資金」
DeNAがストーブリーグの〝台風の目〟となりそうな気配だ。今秋のポストシーズンではセ3位からCS突破を果たし、日本シリーズでもパ優勝チームのソフトバンクを撃破。下克上を成し遂げ、26年ぶりの日本一にまで上り詰めた。その余勢を持続させるかのように、シーズンオフも手綱を緩めず〝超巨大補強〟で攻めの姿勢を貫くつもりのようだ。その背景には、記録的な本拠地来場者数に伴う球団の「ハイパー黒字化経営」と「今永資金」が大きな武器として混在している。 【写真】笑顔で三浦監督にビールをかける牧 5日にDeNAはチームOBで前ロッテ一軍打撃コーチの村田修一氏(43)、前ヤクルト二軍外野守備走塁コーチの河田雄祐氏(57)、前中日一軍打撃コーチの上田佳範氏(50)と来季コーチ契約を結ぶことを発表。補強ポイントはもちろん、三浦体制5年目の内閣改造だけではない。 27年ぶりリーグVからの日本一連覇を来季至上命題とするフロント側は、DeNAで昨季プレーしていたトレバー・バウアー投手(33=メキシコシティ・レッドデビルズ)、中日のライデル・マルティネス投手(28)、海外FA権を取得している九里亜蓮投手(33=広島)、国内FA権を取得済みの高橋周平内野手(30=中日)と酒居知史投手(31=楽天)、阪神を戦力外となった岩田将貴投手(26)の動向を水面下で注視。いずれも契約が可能となり、オープンな状況となれば本格的な獲得調査に乗り出すとみられている。 仮に全員獲得するとなれば「総額30~40億円はかかるのではないか」ともささやかれる〝超巨大補強〟。DeNAのどこに一体、それだけの〝体力〟があるのか。 10月3日の阪神戦(甲子園)では本拠地・横浜スタジアムに3万3761人が来場し、プロ野球興行における1日の最多動員記録を更新。2024年はシーズン主催試合における観客動員数が235万8312人となり、球団史上最多観客動員数を更新するなどDeNAの黒字経営は今や完全に軌道に乗っている。 DeNA本社で行われた24年3月期・決算説明会ではスポーツ事業の売上収益が272億7100万円と発表された。これは前期比で30・1%増と驚異的な伸び率となっている。「他の事業の収支バランスとトータルで照らし合わせれば、この数字のみを単純に収入と見積もることは確かにできない。とはいえ、それ以外にも今年は球団の懐事情に大きな黒字化をもたらした要因がある」(球界関係者) そして同関係者が「球団にとって大きなプラス材料」として補足したのは、昨オフにDeNAからポスティングシステムを利用してカブスへ移籍した今永昇太投手(31)の譲渡金だ。その額は982万5000ドル(約15億1600万円)とみられており、実際に南場智子オーナー(62)も「できるだけ選手の強化、選手にというふうに」と編成費用に回すことを示唆している。 ベイスターズが潤沢な資金力を駆使し、日本一達成後の今オフも主役となるかもしれない。
三島俊夫