[特集/欧州戦線を変える新監督3人 02]覇権奪還は38歳の青年監督に託された 新生バイエルンにコンパニが必要だった理由
4バックを踏襲して攻撃的に コンパニ流はかなり前向きか
バイエルンは8月3日、11日にいずれもトッテナムとトレーニングマッチを行っている。フルメンバーではないが、各大会に出場した選手が戻り、いよいよシーズン開幕に向けた準備という要素が強い2試合で、コンパニはまず3日の試合を以下の布陣で戦っている。 GKマヌエル・ノイアー、DFゲレイロ、スタニシッチ、キム、ブイ、MFアレクサンダー・パブロビッチ、ジョシュア・キミッヒ、テル、トーマス・ミュラー、セルジュ・ニャブリ、FWヴィドヴィッチ。中盤がパブロビッチとキミッヒのダブルボランチで、ミュラーがトップ下の[4-2-3-1]である。 こうしたトレーニングマッチは後半になると多くの選手交代があるため、だいたい前半がキモとなる。この一戦の前半ではバイエルンの前方へ仕掛ける積極性が目立ち、4分にはすぐにゴールへと結びつけている。相手が最終ラインからビルドアップするところにハイプレスをかけ、GKが不用意に出した縦パスをニャブリがカットしてそのままシュート態勢に入る。一度DFに弾かれたが、きっちりフォローに入っていたヴィドヴィッチが決めて先制点を奪った。 両サイドバックのポジションも高く、とくに左サイドのゲレイロはゴールを意識した動きで相手をかく乱した。38分、同サイドの前方でボールを持つテルが1対1の勝負を仕掛けていた。すると、アンダーラップでその前を走り抜けてボールを受けようとした。パスは出てこなかったが相手DFにとってはやっかいな動きで、ゴールにはつながらなかったものの攻撃に厚みを加える効果的な動きだった。 その後にゴール正面、PAの外からフィニッシュした場面もあるなど、ゲレイロは縦にはもちろん、斜め横への攻撃参加でも特長を発揮できる。昨シーズンまでのファーストチョイスであるアルフォンソ・デイビスの動向が不透明ななか、11日の試合にも先発したゲレイロの存在はバイエルンとコンパニにとって貴重なものとなっている。 右サイドバックを務めたブイも位置取りが高く、ときにニャブリを追い越していた。このポジションに関しては人選が難しく、スタニシッチ、キミッヒという選択肢もコンパニにはある。ただ、キミッヒの獲得を狙っているメガクラブが複数あるなど、ボランチも含めてこの辺りは今後の移籍事情、最終ライン、中盤との組み合わせで決まってくるだろう。