史上稀にみる“超スロー”ペースでの決着。日本の総大将ドウデュースが異次元の末脚を炸裂【ジャパンカップ】
”積極性を欠いた”ルメール騎手とC・デムーロ騎手。外国馬の最高位はゴリアットの6着
それに対して残念だったのは、4着チェルヴィニアのクリストフ・ルメール騎手と、5着だったジャスティンパレスのクリスチャン・デムーロ騎手の積極性を欠いた騎乗である。 チェルヴィニアは3番手に付けながら、外からフタをされていたとはいえ、徐々に位置を下げて直線を向き、あっという間にドウデュースに交わされてしまった。真っ向勝負と言えば聞こえはいいが、現役随一の切れ味を持つ天皇賞馬を抑え込むなら、逃げる選択もあっただろうし、少なくとも直線ですぐさま仕掛けるぐらいの動きは必要だったはず。馬の出来は素晴らしく、能力の高さも疑いないだけにとてももったいないレースだった。 ジャスティンパレスも、ドウデュースが来てから追い出したのでは、やはり敵う相手ではない。名手クリスチャン・デムーロ騎手への乗り替わりではあったが、今回はそれが裏目に出たと言えるのではないか。もっとも前走手綱をとった坂井瑠星騎手は自厩舎のシンエンペラーに乗ることが決まっていたわけだが...。 最後に、鳴り物入りで来日した海外馬についても触れておくと、たとえばハイペースでのスタミナ比べという展開ならばまだしも、極端なスローペースで、レースの上がり3ハロンが33秒4というような究極の末脚勝負となると、ゴリアットが6着、オーギュストロダンが8着、ファンタスティックムーンが11着という結果もやむを得まい。ちなみに3頭とも33秒台で上がっている。欧州を主戦に置くサラブレッドがアウェイの日本で戦う難しさを考慮したとしても、今回はいかにもツキが無かった。 ドウデュースはこれで秋の中長距離GⅠを2連勝。次走に予定されている有馬記念(12月22日)を制して3連勝とすれば、2000年のテイエムオペラオー、2004年のゼンノロブロイ以来、史上3頭目の栄誉となる(ボーナス2億円も与えられる)。引退レースで快挙はなるのかどうか、その盛り上がりが今から楽しみなドウデュースの会心勝利だった。 文●三好達彦
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