國學院久我山が4-0で快勝。1年時から「14」のMF近藤侑璃主将は選手権出場、高校選抜入りを果たして先輩FWと「同じ舞台でできるような選手に」:東京A
[10.26 選手権東京都Aブロック予選準々決勝 暁星高 0-4 國學院久我山高 NICHIBUN SAKURA FIELD] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 26日、第103回全国高校サッカー選手権東京都Aブロック準々決勝が行われ、國學院久我山高が暁星高に4-0で勝利した。國學院久我山は3年連続の準決勝進出。準決勝(11月9日)で関東一高と戦う。 MF近藤侑璃主将(3年)が、「立ち上がりの、最初のセットプレーで点取れたのが1番大きかった」と振り返ったように、國學院久我山は開始2分の先制点で勢いに乗った。FW坂東輝一(2年)が左サイドでFKを獲得。これを近藤が右足で入れると、ニアのCB中村豪(3年)が頭でゴールへ流し込んだ。 キッカーの近藤が「狙ったとこに蹴れたんで、(中村が)そこに走り込んできてくれていい形だったと思います」と評した会心の先制ゴール。初戦を欠場し、この日が今大会初戦となった主将は「何が起こるか本当に分からないっていうのが選手権だったと思って。とにかく点は取られないっていうことを意識して、その中でも自分たちのサッカーをしっかりやって、シュートを打ち切るだったり、プレーをやり切るってことは意識していました」という。 暁星は身体を張ってシュートブロックしたCB太田有哉主将(3年)や、ファインセーブを連発していたGK石山健太(3年)が中心になって踏ん張り、FW荒井悟史(3年)の推進力のある動きなどで対抗。だが、國學院久我山は20分、混戦からのこぼれに反応したMF村瀬悠馬(3年)が対角の左足シュートを突き刺す。さらに、ハイプレスで相手のミスを誘い、FW前島魁人(3年)が追加点を奪った。 國學院久我山は右SB太田圭駿(3年)と左SB安部凛之介(3年)がドリブルで運ぶ力を表現。アンカーの位置から攻め上がってスルーパス、シュートを繰り出す近藤を中心に、村瀬やMF田島遼太郎(2年)、FW四方一陽(3年)らがボールに係わりながら厚みのある攻撃で4点目のチャンスも作り出していた。 また、守備面でも「自分はどこでも守備も攻撃もしっかり行かなくちゃいけないので、サイドバックのカバーだったり、ちょっと遠いかなって思うところもなるべく行くようにしています」という近藤や、いずれも高さのあるCB平原大煌(3年)、中村を中心に無失点を継続。近藤は3-0の前半について「前半で勝負つけたいっていう感じだったんで、隙をついたり、自分たちのサッカー貫いたり、シュートの数も多かったと思うので、それが良かったかなと思います」と高く評価していた。 後半は、2試合連続逆転勝ちの暁星がオープン攻撃などで応援団を沸かせるシーンを増やす。國學院久我山はプリンスリーグ関東2部で6戦連発を記録するなど好調な前島が後半13分にこの日2得点目。その後下級生を投入したが、追加点を奪うことができない。それに対し、暁星はMF宇都宮顕人(3年)やMF井上慎平(3年)の鋭いドリブルなどから再三ゴールへ迫って見せる。 だが、決定的なシュートを相手SB太田圭にクリアされたり、GK太田陽彩(3年)に阻まれるなど惜しいシーンの連続。終了間際にもCB太田のヘッドがポストを叩き、井上のカットインシュートがクロスバーを叩いた。國學院久我山が4-0で勝利。FW塩貝健人(現NECナイメヘン)を擁した2022年度大会以来の選手権出場へあと2勝とした。 國學院久我山の近藤は、「1年生の時に選手権全国出て、あの時はスーパーな選手がいて、自分はもうみんなのサッカーをサポートするって感じで連れてってもらったっていう感覚が大きいんですけど、やっぱり自分の代になって、もう自分もやらなくちゃいけないし、下級生もそうだし、やっぱり11人では絶対に勝てないので、そういうチームの底上げっていうところもちゃんと意識して、自分の代でも絶対全国行きたいっていう強い思いを持っています」と語る。 近藤は当時1年生だった2年前の選手権で、國學院久我山にとって特別な番号である「14」を背負って奮闘。U-17日本高校選抜候補に選ばれた実力者だ。「あの舞台(日本高校選抜)にもう1回立ちたいって思うところもあるので、やっぱりもう今年がラストなので、凄い意識してはいます。塩貝君もそこ(日本高校選抜)から、ドイツ(デュッセルドルフ国際ユース大会)で活躍して、世界に認められたっていう感じだった。まずはチームが選手権全国出て結果を残すっていうことと、しっかり個人としてももっとレベルアップできるように頑張っていきたい」と選手権に出場して活躍することと、高校選抜入りを目標に掲げた。 1年時はとにかくミスをせずに、シンプルに攻撃を組み立てることを意識。当時からは明らかに身体が大きくなり、「一番変わったのは、自分が結果に残るようなプレーをしようっていうことと、チーム全体のサポートもそうですし、キャプテンシーとかもしっかり発揮してっていうところです」と説明する。 2年前のキャプテンで、圧倒的な攻撃力でチームを引っ張った塩貝とはタイプもポジションも違う。「(塩貝先輩は)強烈で。(今思うと、)もう自分も味方にいたのも不思議ですし、相手にも(あのような選手は)本当に見たことないんで、自分と比べるっていうよりも、尊敬しつつ、自分もその塩貝君にいつかパスを出せるように。同じ舞台でできるような選手になるように、しっかりもっともっとレベルアップしていきたいです」。尊敬する先輩のような圧倒的なプレーをすることは難しい。それでも、自分ができることを攻守両面で表現。シーズン前半に苦戦していたチームの状態にも「今、1番いいです」と手応えを感じている。 「14番はもう1年生からなので、しっかりこの14番の伝統を壊さないためにも、自分がもっともっと『久我山の14番がエースなんだ』って全国に広げたい」という思いも持って臨む選手権予選。残り2試合を必ず勝ち抜き、全国大会でチームメートとともに躍動する。