柳原真緒がパールカップで頂点を目指す 前GⅠ開催でメンタルに異変も「仕掛けられない」自分を打破する決意
GⅠのようなビッグレースは、あまり緊張しないんですが、オールガールズクラシックでは、特に自分への注目度が高かったわけでもないのにいつも以上に緊張度があったなと思います。いつもはメンタルを調整しながら臨めていたんですけど......。練習はしっかりしていって、その前の開催よりも調子も上げていましたが、自分のなかで「あれっ、どう修正していけばいいんだろう」という感じになっていました。 ――開催中のコメントではまったく察することができませんでした。では3日目の決勝を振り返ってみてどんなレースでしたか。 序盤から取りたい位置を取れたんですが、その時も体が動かなくて......。体が動く時には、レース中はほぼ無心で勝手に体が動く感じで戦っています。それがレース中に結構、考えてしまうことが多かったですね。 ――師匠や練習仲間からオールガールズクラシックを終えて、何かアドバイスはありましたか。 「仕掛けられないイップスみたいになっているんじゃないか」と言われました。イップス自体がどんなものなのかわからないので、当てはまっているかはわかりませんが、その仕掛けられない状態を、次の開催(5月6日~8日・和歌山競輪・決勝3着)でもそのまま引きずってしまっているところがありました。 ――その状態を打開するために必要なことはどんなことだと考えていますか。 思い切って仕掛けてしまえば、変わるんだろうなと。レースのイメージを明確にできれば、よくなっていくと思っています。
【絶対に決勝は乗りたい】 ――(5月30日)現在、賞金ランキングは10位です。年明けから5カ月間の結果をどう捉えていますか。 調子の浮き沈みがちょっと激しいのかなと思います。コンディションはだんだんよくなってきていますけど、この前のオールガールズクラシックがあの状態だったので、迷走しているかなと。自分にとってはメンタルがすごく重要ですね。 ――パールカップに向けては、どのようなコンディション調整を考えていますか。 岸和田競輪場でのレースを想定して、自分がどこで、どう仕掛けるかをしっかりイメージして練習したいと思っています。先ほども言いましたけど、昨年のパールカップは何もできず、その反省という意味では収穫はありましたが、やはり動いてレースをしたほうが収穫は大きいので、今年は動きたいという思いはありますね。 ――パールカップは東西対抗という形式で、出場選手は東日本エリア、西日本エリアからそれぞれ14名が選抜。初日・2日目に行なわれる東西別の予選・準決勝を勝ち上がった選手だけが決勝へと駒を進められます。柳原選手は西日本エリアで優勝候補のひとりとなりますが、東西対抗は意識していますか。 西のほうが動く選手が多いので、そうすると自分から動きにくくなる部分がありますが、勝ち上がり方式は変わりませんので、昨年みたいに自在に動いて、いい位置を取っていきたいです。 そのなかでも初日のレースは重要で、初日のレースを見れば、それぞれの選手の次の日の動きがわかったりします。だから自分も見られていると思うので、自分のやりたいレースを初日からできれば、決勝で心理的にも大きく差がついてくるのかなと思いますね。 ――パールカップについての期する思いはありますか。 やっぱり地元の近畿地区の開催なので、絶対に決勝は乗りたいという思いはあります。そして優勝したいですね。 【Profile】柳原真緒(やなぎはら・まお)1997年5月18日生まれ、福井県出身。身長164cm、体重68kg。中学・高校と陸上競技の投てきに励み、高2で日本ユース陸上競技選手権大会JOCカップ砲丸投げ5位、高3で国民体育大会やり投げ4位と好成績を残した。ケガの影響もあって自転車競技に転向して実績を積み、日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学。2018年、21歳の時にデビューし、翌年からガールズケイリン特別レースに出走。2022年にガールズケイリンコレクションいわき平ステージで優勝すると、その年末のガールズグランプリ2022で初出場・初優勝の快挙を成し遂げる。
text by Sportiva