ジャスティン・ローズの新旧混在セット 1Wシャフトに鉛テープを貼るワケは
ジャスティン・ローズ(イングランド)は近年、用具契約フリーの立場を最大限に生かす中で、PGAツアーきっての熱心な用具テスターとなった。向上するためとあらば、テストするクラブやシャフトの選り好みをしない。 【画像】女子プロたちが続々とスイッチする新ボール
2024年初頭を例に挙げると、ローズは古めのタイトリスト製ドライバーとコブラのアイアンを使用していた。それが3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」の頃になると、バッグにはピンのドライバーとスリクソンのアイアンが入っていたのである(同年におけるクラブ変更は、それで終わることはなかった)。 ここに至るまで、ローズのシーズンに安定感はないものの、「全米プロゴルフ選手権」で6位タイ、「全英オープン」で2位に入るなど、大舞台では輝きを放っている。ただし今季のトップ20入りは、この2大会以外では1大会のみ(AT&Tペブルビーチプロアマでの11位タイ)となっている。 こうしたタイムリーな好パフォーマンスにより、ローズはフェデックスカップのプレーオフ進出には十分な位置につけてはいるものの、プレーオフ第2戦「BMW選手権」への出場となると、ランキングにはやや心許ないものがある。現在52位につけており、シーズンを継続させる上で、終盤へ向けソリッドな成績が求められる。 レギュラーシーズン最終戦となる今週の「ウィンダム選手権」にてローズと接触した際、常に興味深いイングランド人選手のゴルフバッグに5つの注目点を発見した。
新旧混在
ローズは市場にあるクラブやシャフトをテストすることに躊躇(ちゅうちょ)はしない。それは、必ずしも常にクラブを変更することを意味するわけではない。バッグの上の方の番手を見てみると、新しいテクノロジーと5年物のクラブを混在させている。
2024年はこれまで何種類かのドライバーを使用してきたローズだが、最近は多くのPGAツアープレーヤーたちの動きを追う形で、新しいタイトリスト「GT3ドライバー」に変更している。ローズはホーゼル設置をB2にセットしてGT3を使用しており、これは標準ロフトでライ角が0.75度アップライトになっていることを意味する。 最も注目すべき点は、ローズがプロジェクトX「HZRDUS」シャフトのグリップ側終端に鉛テープを巻いているところだろう。これは、クラブを効果的にカウンターバランスとすることに一役買っている。グリップ側の端に鉛テープを加えると、クラブ全体の重量を増やしつつ、スイングウエートを減らすことができるため、ヘッドを若干軽く感じることができる。これにより、スイングを通してクラブとより繋がっているように感じられ、スイングの移行の中でシャフトの動きがわずかながら滑らかに感じられる。これは万人向けではないが、カウンターバランスのドライバーシャフト未経験のアマチュアには、試してみる価値があるだろう。