「『交付金を倍増する』と言われているけれど…」 ”日本一老いる村”の村長が訴える地方創生の現実
国も県もDXを進めているが、そもそも使おうとしない人が多い地域では、お金をかけてもたかだか1~2割程度しか使わない。その人たちにお金を使うくらいなら、他の8~9割の年寄りのためにシェアハウスでも建てることにお金を使いたいという話になる。 こういう町村でデジタル化を進めても難しいし、5年、10年先をみてデジタル化していくのは無理がある。そこを何としても目指せと言ったって、メニューが1個だったら絶対無理。「これじゃなきゃ認められない」という制約がもうマッチしていないし、絶対失敗する。
――これから他に、石破政権に期待したいことはありますか。 (役場の)職員は過去の半分になり、行政サービスが低下して、いざ災害が起きると困る。全国どこでも派遣するのは難しいとは思うが、自治体が要望したら国から職員を派遣してほしい。 市町村を信用できないなら、お金だけではなく、人を出してくれるシステムがほしい。直接頼もうとすると「すべて県を通してください」となるので、もう少し人的交流や話を気楽にできる体制がほしい。
茶山 瞭 :東洋経済 記者