加山雄三「夫婦の絆を強くしたのは朝ご飯。23億の大借金を抱えていた俺と結婚してくれて、どんなに感謝をしても感謝しきれない」
2024年で87歳の加山雄三さん。俳優・歌手として活躍し、70代以降は愛船の火災や病に見舞われながらも、ニックネーム「若大将」そのままに人生を駆け抜けています。著書『俺は100歳まで生きると決めた』から一部を抜粋し、加山さんが語る幸福論をご紹介。今回は、夫婦について。仲良くしていられる秘訣は、愛し合い、信頼し合い、尊敬し合うことと、もう一つは―― 【書影】永遠の若大将が語る幸福論!『俺は100歳まで生きると決めた』 * * * * * * * ◆朝ご飯が夫婦の絆を強くする そして、俺がどんなに感謝をしても感謝しきれないのがカミさんだよ。 彼女がいなかったら、今の俺はいない。それは間違いないよな。仕事も、プライベートの生活も、彼女がいてこそやって来られた。 考えてみてくれよ。彼女と結婚したとき、俺は23億円の大借金を抱えていた。にもかかわらず一緒になってくれた。 その後も圧雪車に轢かれたり、脳梗塞になったり、小脳出血になったり、俺は何度も三途の川を渡りかけた。その都度俺を救ってくれたのはカミさんだった。彼女がいなかったら、俺はとっくにあの世へ行っていた。 いまだに俺は彼女にまったく頭が上がんないけれど、なにもかも今があるのはカミさんのおかげだから、当たり前だよな。 夫婦が仲よくしていられる秘訣をみんなによく聞かれる。おたがい愛し合い、信頼し合い、尊敬し合うことだと思うけれど、もう一つあげるとしたら、毎朝ご飯を一緒に食べることじゃないかな。やってごらんよ。その日の最初のご飯を一緒に食べれば、おたがいを思いやれるようになるよ。
◆同じものを食べて、幸せを分かち合える 結婚したばかりのころは、必ずカミさんと朝ご飯を食べた。子どもたちが生まれて学校へ行っているときには、朝5時半から6時には起きて、俺も食事のしたくをしてきた。家族みんなが起きてきたら、全員そろって、顔を見合わせて、お祈りをするんだ。 「今日もこうしてご飯を食べられることに感謝しましょう」 手を合わせる。 俺はとくに決まった宗教を信仰しているわけではない。だから、空に感謝する。自分たちをこの世に生んでくれた親父、おふくろ、じいさん、ばあさんにお礼を言う。 お祈りを終えたら、おいしい朝ご飯だ。 同じ食事を同じテーブルで、同じようにおいしいと思えるのは、とても大切だよな。幸せなことだ。 同じものを食べると、食べ物の好みが近くなる。幸せを分かち合える。家族が絶対に仲よくなれるよ。 今はさ、夫婦で他愛もない話をしているよ。ご飯も一緒に食べるけれど、テレビも一緒に観る。報道番組で心温まる出来事を知ると、一緒によろこぶ。ひどい事件を知ると、一緒に悲しみ憤る。
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