中日快進撃の裏で囁かれる〝疑惑〟 阪神は「飛ばないボール」「ゾーン拡大」の被害者か 鬼筆のスポ魂
シーズンが開幕し、各球団とも他の5球団との対戦が一巡したプロ野球のグラウンドで、感覚的な異変を訴える声がとても多い。複数のコーチや選手は異口同音に今季の「ある傾向」を指摘するのだ。 【写真】ミズノがNPB統一試合球の外箱を変更 ■昨季と同じボール? 「ボールが飛ばない。打たれた投手が『あっ、ホームランや』と思って振り返ると外野フェンス前でボールが落ちてくる、と喜んでいる。逆に打者は『これは入ったやろ』と思って打球を追っていると全然いかない、と嘆いている。選手たちからは『ホンマに昨季までと同じボールか?』と疑う声も聞こえてくる。飛ばないボールに戻したという話も聞かないし、感覚的な話なんだけど」 「今季はやたらにストライクゾーンが広い気がする。打者が悠然と見送った投球が『ストライク!』と判定されて、啞然茫然(あぜんぼうぜん)のケースが何度もある。球審の手が上がるケースが多いので、どうしても打者は以前の感覚よりもストライクゾーンを広げて打つしかない。当然、厳しいボールにも手を出さざるを得ないので安打の確率は下がる」 ■極端な「投高打低」 一つの球団の感想ではなく、複数球団の関係者が話した言葉だ。「飛ばないボール」と「ストライクゾーンの拡大」-。あくまでも現時点では感覚的な問題としか言いようがないが、シーズン序盤のさまざまな数字や順位に影響している。 まずチーム防御率。昨季2点台だったのは2・66の阪神を筆頭に2・73のオリックス、2・93だった西武の3球団だけ。他の9球団は3点以上だった。ところが今季は防御率3点台がDeNAと日本ハム、楽天の3球団だけで、他は2点台以下だ。 セ・リーグ2位の巨人は1・86で、12球団で唯一の1点台。セ首位の中日、パ首位のソフトバンクはともに2・26だ。逆に、チーム本塁打を2ケタに乗せているのは阪神だけ(10本塁打)。まだ4本塁打しか記録していないチームがセ・パ3球団あり、完全に「投高打低」の傾向だ。 ■NPBの思惑