商船三井内航・旭タンカー・イコーズ、内航アンモニア船研究。1万立方メートル級、28―29年導入めざす
商船三井内航と旭タンカーは22日、船舶管理会社のイコーズと3社で大型アンモニア内航船のコンセプトスタディー(概念研究)を実施すると発表した。今後予想される同燃料の内航輸送需要増加に対応する。2028―29年ごろの導入に向け、3社の知見を生かし、顧客だけでなく船員にも喜ばれる船舶の建造を目指す。 現在、アンモニアは肥料原料としての利用が中心。海上輸送量も限定的だが、脱炭素化に向けてCO2(二酸化炭素)を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして世界的に需要が高まっており、日本でもアンモニア輸入後に電力事業者らに二次輸送する新たな需要増が見込まれている。 既存のアンモニア内航輸送船は容量1000立方メートル程度にとどまる。しかし、経済性や船員不足への対応も視野に入れ、1万立方メートル級の大型アンモニア内航船の投入が有効とされている。 今回、日本初となる大型内航船での安定・安全輸送を目指す。省力・安全・ウェルビーイングの三つを柱とするサステナビリティーを軸にするほか、GHG(温室効果ガス)削減・汎用(はんよう)性・円滑な荷役の三つのニーズに沿った船型開発を推進するコンセプトスタディーを行う。 今後検討を行うコンセプトは、船型開発では、地球環境への貢献などを目的とし、燃料電池を含むアンモニア燃料の導入などを挙げた。 3社は今後、商船三井内航の省力・安全に関する技術支援、旭タンカーの次世代電気推進タンカーを含む内航タンカーの知見を活用。イコーズのアンモニア内航船の船舶管理ノウハウを生かし、検討を進めていく。
日本海事新聞社