<旋風・十勝からセンバツへ白樺学園>第2部 冬に磨くチーム力/上 課題意識し試行錯誤 貴重な休日練習、効率よく /北海道
「ノーアウト一、三塁! 八回同点」。芽室町にある企業所有の屋内練習場に、白樺学園の守備の要、業天汰成(ぎょうてんたいせい)主将(2年)の力強い掛け声が響いた。内野陣から次々、声が上がるとシートノックの守備位置を確認。ミスした選手にも「もう一回いこうぜ」とすぐ激励が飛び、練習中は声が途切れることがない。選手たちの動きを見つめる亀田直紀部長も「喜怒哀楽を練習からもっと出せ」と指示を徹底する。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 冬期間は校内の屋内練習場での打撃練習や筋力トレーニングが中心で、休日の守備練習は貴重。本番での緊迫した場面を想定させて少ない機会で効果を上げる意識が選手各自に浸透しつつある。チーム全体で作り上げる雰囲気に、昨秋はクリーンアップを務めた二ツ森学選手(2年)は「守備は自信がなかったが、ミスが出ても落ち込まず、すぐに気持ちを切り替えられる」と効果を実感している。 また、投手陣も投げ込みは休日の数時間に限られる中、修正点を意識しながら試行錯誤を続けている。エースの片山楽生(らいく)投手(2年)は、制球力と球速アップに取り組む。昨秋の明治神宮大会では、国士舘(東京)戦で先発し、健大高崎(群馬)戦では2番手として登板。全国レベルの打者と対峙(たいじ)し、計12回3分の1で9三振を奪ったが、「選球眼が良く、簡単に三振を奪うことができなかった。もっと厳しいコースに投げる必要がある」と課題を挙げる。 組み立ての中心となる直球には自信があったが、業天主将との投球練習では常にボールの回転をチェック。縦回転でボールが手元で伸びるキレのある直球に磨きをかけている。全身の力が伝わるように全道大会後からフォーム修正にも取り組んでおり、球質の変化も実感している。亀田部長は「あとは業天がいかに配球面でレベルアップできるか」とバッテリーの成長に期待を寄せている。 チームは今月18日から例年より1カ月早く宮崎に遠征。土のグラウンドで実戦を意識した本格的な練習を積んだ。センバツ開幕へ。準備は着々と進んでいる。 ◇ 第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の開幕まで1カ月を切った。白樺学園と帯広農の十勝勢2校は本番に向けた調整を進めている。第2部では飛躍の春に向け、成長の階段を駆け上がるナインの姿を迫った。【高橋由衣】