「前部長に見せられた」兵庫百条委に県議説明 告発者情報の漏洩疑惑
兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元西播磨県民局長の公用パソコンに保存されていたとされる私的情報について、複数の県議が、前総務部長から見せられたと、県議会調査特別委員会(百条委員会)が16日に実施した聞き取り調査に説明した。県関係者への取材でわかった。 【画像】公益通報受け兵庫県が「改善策」 識者は「違法な対応を重ねてきた」 週刊文春は7月、前総務部長が告発文書とは関係のない私的情報をファイルにとじ、県職員や県議に見せて回っていた、と報道した。斎藤氏は9月の記者会見で、前総務部長ら県幹部に確認したところ、いずれも関与を否定したと説明していた。 県関係者によると、県は週刊誌報道を受け、真偽を調べるため第三者調査を始めたが、県議らはその調査にも同様の内容を説明したとみられる。内容が本物かどうかや、地方公務員法の守秘義務違反にあたるかも含め、県側は慎重に調査を進めている。 百条委の聞き取り調査は16日、非公開で行われた。県関係者によると、前総務部長から4月に元県民局長の私的情報とされるものを見せられたり、口頭で聞いたりしたと、複数の県議が説明したという。 この問題をめぐっては、元県民局長が3月中旬、斎藤氏のパワハラなどの疑惑を指摘した告発文書を一部の報道機関や県議らに匿名で配布した。文書を入手した斎藤氏はすぐに側近らに作成者や内容の調査を指示。前副知事らは25日、元県民局長を事情聴取し、公用パソコンを回収した。県はその後、内部調査によって告発内容の「核心部分が事実ではない」と結論付け、5月、元県民局長を停職3カ月の懲戒処分にした。 前総務部長は斎藤知事の元側近。懲戒処分につながる内部調査を担当した人事課を所管していた。 10月にあった百条委の証人尋問にも出頭し、情報を持ち出したかどうかを委員から問われたが、「証言が手がかりとなって、守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性がある」と証言を拒否している。
朝日新聞社