「物忘れが増えた85歳母と実家の整理で大ゲンカ」鈴木蘭々 自己嫌悪に陥りながらも「履けないけれど大好きなヒールの靴は残そう」と配慮した日
物忘れが増えてきた85歳の母と実家の整理をめぐって大バトルを繰り広げたという鈴木蘭々さん。「捨てたくない」母と、「捨てないと住めない」と主張する娘。母への思いとは裏腹に、心にもないことを言ってしまい── 。(全4回中の4回) 【写真】母から鈴木蘭々さんが譲り受けたという大切なもの ほか(全10枚)
■人がよすぎる母は物忘れが多くなってきて ── 鈴木さんのブログには、お母さんとのエピソードがたびたび紹介されています。鈴木さんにとってお母さんは、どんな存在ですか? 鈴木さん:母は昔から支えてあげたくなる存在なんです。人がよすぎてダマされやすいタイプで、一生懸命なのにちょっと報われないところがあります(笑)。「でも、ダマすより、ダマされるほうがいいのよ」なんて、母はケセラセラで笑っていますけど…。私とは性格が違いますね。
── そのお母さんが高齢になり、鈴木さんはどのように接していますか? 鈴木さん:まさにこの数年で、私が母を物理的にもサポートしなければならない現実がやってきました。物忘れが増え、同じことを聞いてきたり、物がないと言ったり…。できないことも増えてきて、悲しく感じた時期もありました。でも、同じような経験をしている人はたくさんいます。じつは親しい友人が親の介護を経験していて、だいぶ先をいっています。彼女の話を聞くだけで、自分はどうやって乗り越えていけばよいのかを学べました。精神的にも支えになり、実務的にどこに連絡して、こんな制度を利用すればいい、というところまで教えてもらいました。
── 介護経験者から話を聞けるのはいいですね。現在は鈴木さんがお母さんを主にサポートしているのですか? 鈴木さん:母の家の近くに住む兄夫婦と協力しながらやっています。母は、現在ひとりで住んでおり、私が通ってサポートしています。去年、今年と体調を崩して入院したりと大変でしたが、いまは安定しています。施設への入居も考えたのですが、母の場合は勝手に帰ってきそうなので(笑)、落ち着ける自宅で、デイサービスを上手く使いながら頑張っています。