岡崎慎司、引退理由は「膝の怪我」。理想と現実のギャップ、負傷に「サッカー人生で初めて辞めたいと思った」
シント=トロイデンの元日本代表FW岡崎慎司の引退会見が、6月16日に都内某所で行われた。 今年2月に今季限りでの現役引退を発表し、今季のホーム最終戦となった5月18日のベルギーリーグ プレーオフ2 第9節のルーヴェン戦で現役ラストマッチを終えた岡崎。日本代表としてはワールドカップ(W杯)に3大会連続で出場し、歴代3位の50ゴールを記録。レスター・シティではプレミアリーグ制覇を成し遂げるなど、献身的なプレーと優れた得点能力を武器に世界のトップで活躍してきたストライカーが引退会見に出席した。 岡崎は引退の決断理由について「まずは膝の怪我が一番の理由でした」と開口し、「昨年シーズンをスタートしてからずっと膝の痛みを抱えながらプレーしていて、プレーができなくなるまで半年くらい痛みを抱えながらもやっていました」と告白。「その時にいろいろなことを考えながらプレーして、試合に出たり出なかったり、(指揮官のトルステン・)フィンクさんとの会話の中で『岡崎は必要だけど、この場面じゃ使えないな』など話をしながら、『そうだよな』と納得しながらというシチュエーションが増えてきました」と怪我が原因で出場機会が減っていったことを振り返った。 その後、「練習では若い日本人やベルギー人の選手など、これから上を目指そうとしている選手たちがいて、当然彼らはリスペクトしてくれます。その中でプレーしていて、自分は悔しい思いをしながら練習や試合をしていて、『あの頃だったらもっとこういうプレーができていたよな』『いや俺だったらもっとあそこでいけた』と毎回の練習や試合で思っても、試合に出たら理想の動きができなくなっていて、その繰り返しをずっと今シーズンは続けていた」と語るように、徐々に自身の理想と現実のプレーにギャップが。その中で「最後に(昨年)12月前半くらいにプレーできないぐらいの怪我を負って、その時に多分サッカー人生で初めて辞めたいと思いました」と明かした。 「初めて辞めたいと思った時にこれが引退なのかなというふうに自分が燃え尽きてしまったというか。今まで一度も諦めなかったですけど、引退するという気持ちとこのまま終わりたくないという気持ちが自分の中で芽生えていて、このサッカー選手の続きを自分がヨーロッパで作りたい、新しい挑戦をしたいという気持ちが芽生えた時に、それがサッカー選手としてではないなと自分の中で決めてしまった」 「自分は決めてしまうとそこに一直線になる」と自身の性格を語る岡崎は、シーズン終了後に引退を発表することを考えていた模様。しかし、今年2月に発表したのは、「奥さんに話した時、『それは絶対みんなに早く言って。そこは応援してくれた人たちに伝えるべきだ』」と奥様からの言葉があったからだという。 膝の怪我や出場機会の減少とキャリア終盤は苦しい時間も多かった岡崎。それでも「その挑戦の続きが、自分で作れると思ったからこそ辞められたという部分があるので、自分にとってはポジティブな決断に最終的には至りました」と前向きな言葉で締めくくった。 なお、岡崎は7月1日からシント=トロイデンのアンバサダーに就任が決定。引退会見では指導者を目指す意向も明かしている。