「運動=痩せる」は間違い?医師が解説する、運動とダイエットの落とし穴
運動を想像するだけでも食欲が増す!?
運動は苦行なのでご褒美を与えたくなる傾向にありますが、運動のことを考えるだけでも大変な作業をしていると脳が感じて食欲が増すということも示されています。 2011年の論文では、運動に関する身体活動の本を読むだけで、多くの参加者がスナックを食べることを自分に許可するということもわかりました。 失われたカロリーは取り戻さなければいけないという思いが生存本能として出てくるのですが、それが運動という行動に対してはより強く感知する作用があるということです。 これまでも運動はあまりダイエットにはつながらないと言われてきました。実際の運動量以上に痩せることがない。運動量よりカロリー消費分くらいしか体重が減らないということがデータでも示されています。 活動量を増やすと消費カロリーが増えるが、それに伴って摂取するカロリーも増えていく。摂取カロリーと消費カロリーの一方だけをコントロールするのは難しく、お互いに影響を与えながら変化するものなのです。 だから、消費カロリーを運動で増やすと、どうしても食欲が増進するというのは本能的なもので仕方がないのでしょう。
楽しみながら「7000歩歩く」のが最適!
逆に、運動量を減らしていくと食欲も落ちるというのも、実はデータで示されています。なので、運動を減らして食欲を抑えながら、でも多少の運動量は確保することが大事です。 そのちょうどいいバランスを取れるには、運動をせずに7000歩歩くというのが一番の答えのようです。運動のために歩くというより、音楽聴きながらなど楽しみながら7000歩歩くと、ダイエットの初期には一番いいバランスになると言われています。 5000歩以下になると食欲とのバランスが悪くなって体重が増えてくるので、特にダイエットの初期には、運動をしようというよりも、なんとなく7000歩を歩きながら食事のコントロールでダイエットしていくのが一番の近道になるでしょう。 運動による誤った期待で自分がたくさん食べることを許しやすいことを認識しておくべきですし、ダイエットにおける運動はあくまでも補助的なものでメインではないし、余計に食べることを正当化するために使われるのが実情なので注意してくださいね。 (TEXT:山田周平) ▼動画でもっと詳しく知る https://youtu.be/ERJetCeYFOw 画像提供:Adobe Stock