DeNAが勝てば…日本シリーズMVP最有力候補か? 桑原将志31歳、二度のスーパープレーも“当然”と考えるワケ「止めるしかない、それだけです」
どんなスーパープレーも“当然”
そして王手をかけた第5戦でも桑原は、また飛んだ。 3点を追加した直後の4回、今宮健太内野手のセンター前へのライナーを、腹部をグラウンドに強打しながらのダイビングキャッチで好捕してみせた。 「(打ちつけた腹部は)大丈夫です。アウトを1つ取っただけ。それだけです。(ダイビングキャッチの判断は)常に捕りにいくつもりでやっているので。ムリだったら早めに引くし、いってしまったのであればもう止めるしかない。それだけです」 熱く語った横浜の夜とは打って変わった淡々とした口調。そこには意識的にあの夜に語っていた、“当然”であることへの思いが込められているように思えた。 どんなスーパープレーも“当然”でなければならない。そういうプレーヤーであり、それが当たり前のチームにならなければ、この戦いは勝てない。2つのダイビングキャッチも、そして第5戦までに残してきた打席の結果も、勝つチームにとっては当たり前のプレーであるはずだし、そうでなければならない。 そうなることが桑原の考える日本シリーズを勝つための条件なのである。
横浜のファンに勝ちを見せられるように
だから横浜での最終決戦を前に、桑原の口調は淡々としている。 「4つ勝つつもりで来ているので、それだけです。調子うんぬんは関係ないので、自分の役割を果たすだけ。自分が役割を果たせば、点が入る確率も上がると思うので、1打席、1打席、集中してやるだけです。後ろに繋ぐというのは変わらない。横浜のファンに何とか勝ちを見せられるように頑張りたいと思っている」 2017年に届かなかった夢……いや、それはもはや夢ではない。桑原にとってもDeNAにとっても、日本一になることは“当然”でなければならないのだ。 その“当然”の結果まで、あと残されたのは1勝である。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)
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