DeNAが勝てば…日本シリーズMVP最有力候補か? 桑原将志31歳、二度のスーパープレーも“当然”と考えるワケ「止めるしかない、それだけです」
「厳しい言い方かもしれないけど…」
桑原も牧に求められて発言した一人だった。 「厳しい言い方になるかもしれないけど、今のソフトバンクに勝てる感じがしないと伝えました。負けて悔しくないんか、と……」 それは桑原も自分自身に改めて問いかける言葉でもあったはずだ。 ペナントレースで首位巨人に8ゲーム差をつけられた3位に敗れた。そこからクライマックスシリーズ(CS)で阪神を、そしてリーグ覇者の巨人を破って、日本シリーズまで駆け上がってきた。しかしどこかで現実感のないフワフワしたものを選手たちが感じていたのも確かで、周囲もまたそうだった。 日本シリーズの雰囲気はどうですか? シリーズ出場が決まり、初戦を戦い、事あるごとに何度も同じ質問をされた。 「雰囲気の話はこりごりかな」
「僕個人はもっとできると思っている」
選手ミーティングを終えた第2戦後の駐車場。報道陣に囲まれた桑原はこう言って、自分の中にあるもどかしさを語り出した。 「出て当然と言われるようなチームにならないとダメだなと、この(連敗した)2試合でずっと考えていた。できて当たり前のレベルが低かったら、到底強い相手には勝てない。(連敗した背景は)そういう部分かなと思います」 しかしその一方でCSから日本シリーズとポストシーズンの試合を戦う中で、少しずつチームが成長してきているという実感も得ている。 「僕個人はもっと(このチームは)できると思っている」 だからあとはそれをどう勝利へと結びつけていくかだ、と桑原は語っていた。 「東京ドームのCSファイナルの最後の試合(第6戦)のような、負けられないっていう思い。そのもう負けられないという気持ちだけです。結果を出すのは当たり前ですけど、その前に『ここでやらな終わる』くらいの気持ちがあるかどうか。そこをみんなが自問自答してやらないといけないと思います。体の準備とか相手のデータがどうかを照らし合わせる作業とかは、今まで通りするのは当たり前。その前に負けられないという気持ちを、どれだけみんなが持っているかだと思います」 桑原はこう続ける。 「もちろん僕は悔しいです。ただ、それしかないので、多分、このシリーズが終わるまでその話の繰り返しになるだけだと思います。相手どうこうではなく、僕は自分で切り開いていくという強い気持ちでやっている。それに尽きるかなと思っています」 その気持ちをグラウンドで表現したのが、守備で見せたスーパープレーだった。 まずは第3戦だ。この試合は初回にDeNAが今シリーズ初めて先制。しかしその裏にあっさり追いつかれて、嫌なムードが漂っていた2回だった。ソフトバンクの先頭打者・正木智也外野手のセンター前への打球に飛び込んでダイビングキャッチ。この試合では初回の二塁打、同点の5回には勝ち越しホーマーとバットでも大活躍。シリーズの流れをグッと引き寄せてみせた。
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