開始3分の出番も「何の迷いもなく」 冷静沈着だったJ1アビスパ福岡・亀川諒史 試合後に語った古巣・柏レイソルと恩師への敬意
J1アビスパ福岡の亀川諒史が、突然の出番となった3日・柏戦(ベスト電器スタジアム)を振り返った。 ■亀川諒史が「恩師」と握手【写真】 前半開始直後のプレーで右ウイングバックの小田逸稀が空中戦で体勢を崩し、腰のあたりから落下。起き上がれないまま担架で運ばれ、代わりに亀川が呼ばれた。プロ13年目で初の状況だったが「やるしかない状況だったし、(柏)レイソルさん相手にこうする、と練習で落とし込んでいたので何の迷いもなく。体の部分は最初ちょっと自制しながら、うまくチームの流れとともにやっていければと思って入った」と冷静そのもの。言葉通りよどみなく試合の流れに溶け込むと、前半40分、やや中寄りの位置から重見にパスを出し、金森の先制点につなげた。 試合前には2015~17年に福岡で師弟関係を築いた柏の井原正巳監督と握手を交わしたが「僕たちが勝ったことで、レイソルさんが(残留争いで)ちょっと厳しくなったところもあったので」と試合後、多くの言葉は交わせなかった。それでも「井原さんは本当に恩師と思っている人。僕は(18年に)レイソルに所属したこともあるので、レイソルさんには本当に頑張ってほしい。降格するようなチームではないと思うので」とエールを送る。 後半4分、柏のマテウスサヴィオをドウグラスグローリがマークし、亀川もカバーに入った瞬間、ワンツーパスで交わされて一時同点のゴールを決められた。亀川は「あれだけ人数をかけてもゴールが生まれてしまうのはサヴィオ選手の能力」と脱帽。「ああいう場面が10度あったら10度止めるのをこれからやっていければ」と自省しながら、古巣に敬意を示した。 柏に勝利したことでJ1残留が確定した。亀川は「終わって、帰って記事を見て知った。そこまで意識はしていなかったので」と振り返る。「残留を懸けた一戦というよりは、本当にこのチームでできる残り4試合の一つと思って臨んでいた」。残り3試合もあらゆる状況に対応しながら、目の前のプレーに集中していく。(末継智章)
西日本新聞社