「会社から期待されていなかった…」広告ゼロでもヒット続く『白湯』、ユーザーの4割が男性 異例のホット飲料“通年販売”が奏功
2022年にアサヒ飲料が発売した『白湯』ペットボトル。CMも打たず、プロモーションはほぼ行っていないにも関わらず、「待ってました!!」「こういうのずっと欲しかった」などと大きな話題を呼んだ。その後も一過性の商品になることなく、発売2年目の12月売上は前年比170%を超えるなど、好調に推移。昨年には、他4社から追従商品が発売されたと言うが、『白湯』ブームの背景、同商品ヒットに隠された独自戦略を聞いた。 【画像】中身は同じなのに名前を変えてヒット! 2014年に終売していたアサヒ飲料の『天然水ホット』
■当初計画の3倍売上を記録、ユーザーの4割が男性 脱カフェインブームも追い風に?
『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』は2022年11月に発売され、23年9月にリニューアル。発売から約1年半を経て、今なお大きな反響を得ている。当初の販売計画の約3倍の売上を達成できたというが、ヒットの要因は何だったのだろうか? 「まず、コロナ禍を経て、人々の健康意識が非常に高まったことが背景にあります。また、複数のインフルエンサーやYouTuberの方々が『モーニングルーティンとして飲んでいる』と発信されたことも、白湯が新たな飲料文化として根付く上で、大きく後押ししてくれたと思います。薬を飲む時や体調悪い時など、私たちが想定していなかった飲料シーンもたくさん見られました。忘年会シーズンには新宿歌舞伎町のコンビニでの売上が好調で、SNSでは「二日酔いの時に飲むと最高」などのお声が寄せられました」 『白湯』のメインユーザーは、20~30代の女性。朝、コンビニなどで買われるケースが多いが、日中や夜間も他のホット飲料に比べて販売が落ちにくく、安定して買われているという特徴があるという。 「外出シーンで、『寒くて体が冷えた』『ちょっと血の巡りが悪い』と感じて買われる方も 多いと思います。カフェインも入ってないですし、甘さもないので、『飲めば体を温められるし、体調が整う気がする』との理由で買われる方が多いのかと思います」 全体の約4割が男性ユーザーで、40代男性も意外と多い。 「昨今、女性よりも少し遅れて、白湯を飲む習慣が男性にも定着してきた印象です。健康診断の結果なども踏まえて、特に意識が強まる世代が40代なのかもしれません。最近カフェインを摂らない生活をしてみようという『脱カフェイン』もブームになっていて、『コーヒー1杯を白湯に変えてみよう』という取り組みをされている方もいらっしゃるようですね」