靴見つかり、奇跡信じ 奥能登豪雨、輪島・久手川の中3女子 1キロ先の海岸から
●家族や友人ら捜索見守る 3人が安否不明となっている輪島市久手川(ふてがわ)町で24日、住宅ごと押し流されたとみられる輪島中3年の喜三翼音(きそはのん)さん(14)の靴が自宅から約1キロ離れた塚田川河口付近の海岸で見つかった。父の鷹也(たかや)さん(42)は「本人の持ち物が見つかってよかった。無事を信じている」と声を絞り、早期救出を願った。 【写真】翼音さんのノートの切れ端=23日午前、輪島市 見つかったのは冬場の通学に使っている学校指定の靴の左足側で、げた箱に保管していた。かかと部分に「キソ」と書かれていた。午前11時半ごろ、捜索に協力していた鷹也さんの友人が発見。鷹也さんは「自分のことのように探してくれた」と感謝した。 祖父の誠志(さとし)さん(63)も「奇跡を信じている」と翼音さんの無事を祈った。輪島塗職人で、輪島朝市に店を構えていた誠志さんは「朝市のメンバーにも信頼されるよくできた孫。もう一度、一緒に店に立ちたい」と涙ながらに語った。 久手川町の塚田川周辺では、午前6時に消防や自衛隊員、警察官ら約520人が集まり、安否不明者の捜索が行われた。捜索を見守った同級生の男子生徒は「心配で状況を確認したいと思って来た。無事に見つかってほしい」と願った。 ●名前が入ったノート切れ端も 現場周辺では24日までに、翼音さんが使っていたとみられるノートの切れ端も見つかっている。「さんすう」のノートに、ひらがなで名前が記されていた。