パテック、カルティエ、IWC……。ヴィンテージウォッチとの一期一会の出会いは、センスのいいセレクトショップで!
ヴィンテージウォッチの人気がいま再熱している。現行モデルでは展開していないデザインやサイズなども多々あり、他の人とは“かぶらない”一点モノの魅力がそこにはある。近年は、時計専門店だけではなく、ファッション感度の高いセレクトショップでもヴィンテージウォッチのコーナーを設けている店が増えている。 【写真を見る】パテック フィリップやブレゲの、まさに"1点モノ"なヴィンテージウォッチ そこで、品揃えが豊富な4つのセレクトショップに赴き、各担当者に推しの一本を紹介してもらった。ヴィンテージウォッチとの出会いは一期一会。定期的に足を運んで、ぜひ運命の一本を見つけてほしい。
1. バーニーズ ニューヨーク銀座本店/パテック フィリップ「カラトラバ」
バーニーズ ニューヨーク銀座本店の1階にはヴィンテージウォッチのコーナーがあり、ロレックス、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、プレミアムなラインアップが幅広く揃う。 「以前までヴィンテージウォッチの顧客層は40~50代がメインでしたが、最近は30代のお客さまが増えています。このカラトラバのダイヤルのロゴは、彫金師が手作業でコンマ数ミリを削り、そこにエナメルを流し込んで固めたエナメル象嵌のもの。1960年代まで見られた、とても手の込んだクラフツマンシップあふれるディテールです」
2. エイチ ビューティー&ユース/カルティエ「タンク マスト」
最先端のファッションアイテムを見て回りながら、ブレスレット感覚で気軽に手に取れるように、比較的低価格帯のヴィンテージウォッチを中心に並べるエイチ ビューティー&ユース。なかでも不動のいちばんの人気モデルがカルティエの「タンク マスト」だという。 「去年タンク マストが復刻されたこともあり、ファッションウォッチとしての存在感がさらに高まっています。一般的にはタンク ルイ・カルティエと同じブラックローマンダイヤルが人気だと思いますが、こちらではマストならではの珍しいデザインも人気です」
3. コンティニュエ エクストラ・スペース/IWC「Cal. 853」
アイウエア専門セレクトショップの機能を拡張させる実験スペースとして、8年前にオープンしたコンティニュエ エクストラ・スペースでは、アイウエアやアパレルとともに、日常でも使いやすく、シンプルで美しいヴィンテージウォッチをラインアップする。 「これは1962年製のインターナショナル・ウォッチ・カンパニーで、巻き上げ効率と耐久性に優れたペラトン式自動巻きムーブメント『Cal.853』を使用した名作です。リセール価値や希少性で選ぶのではなく、自分のスタイルに合う時計を探していただけたらと思います」
4. メゾン エ ヴォヤージュ/ブレゲ「クラシック ツインバレル」
昨年麻布台ヒルズのオープンに合わせて開業したメゾン エ ヴォヤージュでは、1960~80年代のヴィンテージを中心に、独自にセレクトしたプレミアムな腕時計を取り扱っている。 「90年代製のブレゲ『クラシック』は、初期モデルならではのアイボリーダイヤル、繊細なギョーシェ彫り加工、ケース側面のコインエッジ装飾、シースルーバック、ブレゲ針と、見応えのあるディテールが詰め込まれた一本です。このクラシックなルックスとは裏腹に製造年が若いモデルなので、初心者でも扱いやすいモデルだと思います。
写真:正重智生(BOIL) 文:佐野慎悟