【新潟記念】前走を評価して本命はエーデルブルーメ 馬場と枠に恵まれ、川田将雅騎手騎乗も心強い
上位人気想定の3歳馬ライトバックは?
2歳馬において初戦の内容がその後の成長曲線を作ることを常々提唱している。新馬戦で能力を出し切ると早熟馬にもなるし、無理をさせなければその後に著しい成長が見られ、晩成型になる場合もある。実際、今回の能力値上位馬を見ても新馬戦で敗れている馬が多い。アリスヴェリテとセレシオンは新馬戦を勝利しているが、アリスヴェリテは自分の型に持ち込めず能力を出し切れていないし、セレシオンは出遅れてテンでもたつきを見せて本来の能力を出し切れていない。 上位人気が想定されるライトバックの新馬戦はどうだったかというと、新潟芝1800mで10番枠から出遅れて後方を追走。ペースは5F通過63秒9と遅かったが、4角を迎えても後方列の中目のままだった。最後の直線では前が壁で、ラスト2Fで後方に下げ切り、外に進路を求めて、そこからグイグイ伸びて差し切った。勝ちはしたがその後、未勝利の逃げ馬相手に半馬身差で、能力を出し切ったようなレースではなかった。 新馬戦で能力全開とはならず、ダメージが少なく新馬戦を終えたことが幸いし、その後は著しい成長力を見せている。今年に入ってからはエルフィンS1着、桜花賞、オークスでそれぞれ3着と上昇一途だ。 新馬戦で素質の一端を見せながらも能力を出し切れなかった馬というのは、やや指数不足でも成長力で補う場合も多い。今回は秋の牝馬GⅠ戦線に向けての始動戦で、状態面がピークということはないだろうが、このタイプは底を見せるまで注目した方がいい。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)レッドラディエンスの前走指数「-23」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.3秒速い ●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート ●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ