トヨタ9月中間決算、日中で販売不振もハイブリッド車の伸びに期待
トヨタ自動車は6日午後、2024年9月中間期の連結決算を発表する。業績の基礎となる生産や販売台数は日本や中国での減少が響いてマイナスとなるが、利益率の高いハイブリッド車(HV)の販売増といった好材料もある。
今年5月の段階では、25年3月期の売上高が前期比2%増の46兆円、本業のもうけを示す営業利益は19.7%減の4兆3000億円と増収減益になる見通しを示しており、トヨタの業績は「中長期の成長を描くための踊り場」(佐藤恒治社長)にある。
間近に迫ったトヨタ決算の注目ポイントを、〈1〉販売の減少、〈2〉好調なHV、〈3〉認証不正を受けた経営や現場改革の進み具合――の三つの観点からまとめた。
日中で販売減少
トヨタが10月下旬に公表した24年度上半期(4~9月)の販売実績によると、トヨタ、レクサス両ブランドの販売は約502万台で、過去最高だった昨年度の上半期(約517万台)から2.8%減った。
国内販売は9.3%減の約71万台。量産に必要な認証「型式指定」を巡る不正が6月に発覚し、「ヤリスクロス」など3車種の生産を約3か月間停止したことが響いた。4月には人気車種「プリウス」のリコール問題も起きた。
海外販売は1.6%減の約431万台と、わずかに減少した。HVが好調な北米や欧州でプラスとなった一方で、電気自動車(EV)へのシフトが進む中国は14.7%の大幅減となった。
トヨタは5月時点で25年3月期の販売目標を1040万台と掲げ、半年間の進捗(しんちょく)率は約48%となっている。ただ、懸案の中国事業については「当面、しのぐ年が続く」(宮崎洋一副社長)としており、他の日系メーカーと同様に不振が続く。中国事業の縮小を打ち出すメーカーもある中、決算会見の場でトヨタの経営陣からどのような打開策が語られるのかが注目される。
HV好調
一方、業績にプラスの要因となりそうなのが、HVの伸びだ。今のトヨタは、HVを売れば売るほど利益が出やすい構造になっているからだ。