「お風呂が冷めたし、垢が浮かんでいたから」と言って、追い焚きせずにため直しを行う夫。追い焚きと比べどれだけの費用がかかっていますか?
水道代の節約のためにと、お風呂の水を追い炊きする方は少なくないでしょう。 しかし、浴槽に張った水に垢が浮いていると、衛生面が気になり、ため直したほうがよいのではないかと思います。ため直すことで清潔な水を使用できる反面、気になるのが水道代です。 そこで本記事では、お風呂の水を追い焚きする場合とため直す場合において、どちらが節約になるのかを考察し、お風呂のお湯の状態や汚れを減らすための方法も解説します。経済的で、なおかつ環境にも優しい方法を提案するため、参考にしてください。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較
追い焚きとため直し、どちらの方が節約?
追い焚きと入れ替えでどのくらい料金がかかるのか、比較してみます。180リットルが貯まるお風呂で、30度のお風呂を42度まで追い焚きした場合と、15度の水を42度まで沸かしてから入れ替えた場合において、それぞれにかかる料金を計算します。 ガス代は「(設定温度(度)-水温(度))✕お湯の量(L)÷(熱効率(%)✕発熱量(キロカロリー/立米))✕ガス料金(1立米当たり)」から、水道代は「1リットルあたりの水道代(円/リットル)✕水量(リットル)」から、それぞれ算出が可能です。 追い焚きを一回行う場合のガス代は41.2円、入れ替えの場合は92.7円、水道代が43.2円かかり、合計135.9円です。ガスは、以下の条件で算出しています。 ・ガス料金:東京ガスで一般的な家庭での使用量にあたる料金表Bより2024年7月検針分164.05円/立米 ・東京ガスの発熱量:1万750キロカロリー/立米 ・従来型ガス給湯器の熱効率の平均:およそ80% ・東京都の水道料金:1リットル当たり0.24円 1回あたりの差額は94.7円、1ヶ月30日間で2841円、1年間で2万9772円です。したがって、追い焚きで温め直した方が節約になります。
人が入った後のお風呂のお湯の状態
追い焚きの方が節約できますが、垢が浮かんでいるようなお風呂のお湯は、どのような状態にあるのでしょうか。株式会社衛生微生物研究センターが実施した、入浴前と入浴後の細菌の数を比較した調査があります。 入浴者数が2名の場合、入浴前と入浴後で2.75倍増加し、3名の場合は9倍、5名の場合は33.75倍に増加することがわかりました。入浴前と直後では、細菌数が1ミリリットルあたり数十個だったのが、数百個から数千個までに増えていました。 毎日お湯を入れ換えていれば問題ありませんが、24時間風呂などでお湯を循環ろ過して長期間使用する場合には、レジオネラ属菌などにも注意が必要です。